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いっぷく広場に飛び出すと目の前には一気に展望が広がる。前方にはこれから進む起伏のある明るい稜線が続き、目を転じると稀府岳や室蘭岳が連なる。そんな光景を見ながらベンチに腰かけてひと休みする格好の広場である。これから先は山頂まであまり休憩に適した広場は無い。唯一9合目を過ぎたシラカバ林の中に少し刈り分けた広場があるくらいである。登山者で賑わいそうな時には、ここまでの自分の疲労度を考えながら休憩をとっておいた方が良い場所かもしれない。

先行者が2名休んでいたが、私達は水分補給をして干し梅を頬張りすぐに稜線を歩き始めた。ここまで特段体力的なダメージも無く、残りの山頂までの稜線歩きでもほとんど休憩の必要無いと感じていたからである。それよりも咲く花々を早く愛でたいとの欲求が強かった。細い稜線の大きな起伏へ向かって一旦一気に下り~そして一気に登って行く。

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室蘭岳

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稜線歩きの始まり

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一気に下って

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一気に登り・・・

背の低い笹に覆われた遮るものの無い稜線を進んで行く。ほとんど風も無く陽射しが容赦なく照り付ける・・・まさに夏本番の雰囲気さえ感じる稜線歩き、8合目手前の見晴し平で展望を楽しむ。大きく立ちはだかるような山容の稀府岳が迫り、内浦湾の奥にはやや霞んではいたが駒ヶ岳が見えている。

眼下の伊達市街、そしてその奥に白い山塊が見えていた。「あの山は何処?」「あれは・・・どこだろう」と話していると、単独で登って来た女性が「狩場山ですよ」と教えてくれた。どうやら大平山と狩場山のようである。まるで海の上に浮かんでいるようにも見えた。

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遮るものの無い明るい稜線を行く

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稀府岳

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内浦湾の奥に駒ヶ岳が見えた(ズームで)

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伊達市街を見下ろす

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彼方に浮かぶ白い山塊は狩場山と大平山のようだ(ズームで)

8合目を過ぎて前紋別岳の標識を見ると~前方には洞爺湖や羊蹄山が見えて来て、気分的には大いに盛り上がって来るところだ。そんな光景を目にしながら、おばさんは心地良さそうにどんどん進んで行く。

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前方に羊蹄山と洞爺湖が見えて来る

数は少ないもののユキワリコザクラがちょうど咲き始めていた。エゾノイワハタザオやセンボンヤリ、ヒメナツトウダイも見られ~フイリミヤマスミレはほとんど終わっていた。やはり今年の花々の開花は早そうだ。

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ユキワリコザクラ
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エゾノイワハタザオ

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センボンヤリ

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ヒメナツトウダイ

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