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今年の大雪山系もまだまだ多くの残雪に覆われているようだ。しかし雪の融けた稜線上の花々はもう咲き始めているらしい。「もう行くしかないな」「そうね、週末は天気も良さそうだし」。普段は1週末に1山の山行でとどめている?私達だが、今回は土日で2つの山域を歩くことにした。その一つ目がニセイカウシュッペ山である。早速、森林管理署に電話して登山口までの林道開通状況とゲートの鍵ナンバーを確認した。「登山口までの林道は22日に開通済です。登山道にはまだ沢山雪が残っていますから、十分注意して行って下さい」との事。

2013年6月29日(土)早朝、登山口に向かって国道39号から国道273号に入る。旭川紋別自動車道が出来てからは通る車はすっかり少なくなった。まだ雲に覆われた空を見上げながら中越付近で右に「ニセイカウシュッペ山登山口へ」のサインを見て林道に入る。良く整備された林道は普通乗用車でも問題は無い。途中のゲートで鍵を開錠して更に奥へと進んで行く。実はこの林道では一つの出来事があったのだが・・・それは最後のページに記述することとしたい。

「晴れて来たよ〜」登山口には上空から明るい陽射しが降り注いでいた。先行車は2台、私達が準備をしているうちに更に3台の車が到着。午前7時ちょうど、登山届を記入して山頂へ向かって歩き始めた。ほどなく〜倒木が登山道を覆っていて・・・ここは右の藪に入り倒木を乗り越て通過。しばらくはなだらかな明るい尾根歩きが続く。
登山道脇に咲く花々は、エゾイチゲ、ヒメイチゲ、ショウジョウバカマ、ミツバオウレンと言ったところ。「今年はまだまだこれからと言った感じね」おばさんの言葉に私は頷きながら花々にカメラを向けた。

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登山口

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登山道に倒木が

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エゾイチゲ

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ショウジョウバカマ
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ミツバオウレン

歩き始めて約45分、標高1371地点付近で早くも登山道は残雪に消えた。「こりゃあ、凄いなぁ、もう雪だよっ」そう言いながら先行者のステップを追って進む。時折木々の間から開ける展望に歓声をあげる、「ほらっ、大槍が・・・」「おぉ〜表大雪だぞ」〜振り返ると眼下に雲海が大きく広がっていた。
締まった雪の上を歩くのは心地良い、しかし「滑落注意」の緊張は強いられる。アイゼンは必要な状況では無かったが、この時期の装備としてザックには入れてある。左側がスッパリと切れ落ちた個所を慎重に進み、沢へ向かって落ち込む雪渓をゆっくりと横切る。時に先行ステップは雪渓上を大きく高巻くかのように登り、また下って〜「気をつけろ」私はおばさんの後ろから叫ぶ。

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残雪に覆われた尾根を行く

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木々の切れ間から表大雪が

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振り返ると雲海が広がっていた

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