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2013年9月22日、某道の駅で目覚めた。3連休の中日とあって駐車場は満車状態である。身支度をして早速登山口に向かって車を走らせる。前日はやや風が強かったが~この日はほぼ無風、上空を覆っている薄い雲もどんどん消えてきて、青空が広がり始めていた。牧場の奥に芽室岳が朝陽をうけて輝いていた。北日高の芽室岳、私達が二人で最後に登ったのは2001年だから~もう10年以上も前である。最近はこの山域をほとんど歩いていない。花狙いでも無く、紅葉狙いでも無く・・・広がる展望に期待を馳せて・・・そんな山行が始まろうとしていた。

快適な林道を進んで登山口である山小屋芽室岳にたどり着く。一台の車が止まっていたがどうやら沢を遡行している人のようだ。早速装備を整えて丸木橋を渡って登山口をスタート、午前7時15分。歩き始めてほどなく・・・「これは歩きやすいね~」私は呟いた。広い幅で笹刈りされた登山道が待っていたのだ。どうやら最近笹刈りされたようである。

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奥の左端に芽室岳、右にパンケヌーシ岳と続く

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山小屋芽室岳と登山口

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丸木橋を渡る

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最初は笹刈りされたばかりの登山道だったが・・・

しかしそんな登山道も・・・針葉樹の植林地を抜けると一面の笹に覆われてしまった。「う~~ん、いよいよか!」踏み跡はしっかりしているので迷うことは無いが~とにかく笹、笹、笹、、時には背丈を越える高さの笹を漕ぐようにして急な尾根を登って行く。見通しは悪いし、夏の暑い日や雨で濡れている時にはかなりうっとうしいだろうが、、、日高の山として見れば確かに一級国道並みなのかもしれない。

今回の行程は距離にして約4.5km、標高差は1146mである。そのうち標高差約1000mほどを西峰分岐まで一気に尾根を登って行くことになる。笹をかき分けて足元を確認しながらゆっくりと歩を進めて行く。途中何度か傾斜が緩み、笹が薄くなるものの・・・またすぐに笹に覆われて・・・単調な辛い登りが延々と続く感じでもある。

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笹が被る登山道が続く

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ガサッ、、、物音にびっくりしながら振り返ると~単独の男性が登って来た。「いや~ビックリしました」「あはは、ごめんなさい。それにしてもこんなに笹が被っていましたっけ」「私達も10年以上も前に登っていますが、、、こんなに被っていた印象は無いんですが」「地球温暖化の影響でどんどん笹も伸びてきているんでしょうかね」。続いて登ってきた単独の男性にも先に進んでもらった。

標高約1350mを過ぎるころにハイマツが目立ち始め・・・木々の間から秋色に染まり始めた芽室岳が見えて来た。周辺の黄葉も秋の陽射しを浴びて眩しいほどの輝きである。

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秋色に染まり始めた芽室岳が見えて来た

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黄葉に包まれながら

ハイマツとダケカンバの目立つ登山道を進んで行く。「見えたわぁ~」おばさんが叫ぶ。木々の間からパンケヌーシ岳(西峰)がその美しい山容を現す。こちらも秋色の始まりを感じる彩りである。その紅葉ピークは10月に入ってからだろうか。

尾根はまた一段と急になってきた。大きな岩を交わすように登って行く。「確かここを登り切れば分岐は近い筈だけど・・・」過去の微かな記憶を頼りに私は呟いたのだが・・・「そろそろ分岐にでるのかな?」おばさんの願いはむなしく・・・急な登りは続き~標高差にしてわずか100mほどだったのだが辛い登りが続き~~~「出たぁ!」午前10時5分、芽室岳山頂部を見る西峰分岐に飛び出した。この分岐をそのまままっすぐに進むとパンケヌーシ岳(西峰)へ続くルートとなる。

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木々の間からパンケヌーシ岳(西峰)が見えて来た
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急斜面を登って行く

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西峰分岐に立つ

山頂に立つ人影が見えていた。きっと先行されている男性であろう。もう一人の方は西峰へ行ったのだろうか。それはともかく~ここまで来れば山頂は指呼の距離(約600mほど)、標高差も100m弱である。「きっと稜線に出ると風が強いぞ」と思っていたのだが、なんと風は弱くほぼポカポカ陽気である。
「これは最高の天気に恵まれたね」そう言いながらザックを下して大休止、これからどんな展望が広がるのだろうか~そんな期待を胸に水分補給をして軽食を頬張り・・・一息つく。「さあ、いよいよだぞ!もう少し」立ち上がって灌木トンネルを潜り抜け山頂に向かって稜線を歩き始めた。

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いよいよ芽室岳に向かって

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灌木のトンネルを潜り抜け

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