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灌木トンネルを潜り抜けるとハイマツに覆われた稜線歩きとなる。小さなポコを登るとハイマツ越しに一気に展望が広がった。「凄いわぁ」おばさんが叫びながら振り返る。歩いて来た稜線の奥にパンケヌーシ岳が鋭く聳え立っていた。ここからはもう展望は欲しいがままである。私は何度もシャッターを押しながらおばさんの後を追う。

山頂手前で単独の男性が下って来た。「凄い展望ですね」「本当に今日は素晴らしいです。ちょっと雲があってカムエク方面は見えませんが、風は弱いしこんな日はめったに無いでしょうね」。下山する男性と別れて私達はそのまま山頂へと進んだ。10時45分、ついに芽室岳山頂に立った。登り始めてから3時間30分だった。

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パンケヌーシ岳(西峰)を振り返る
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二人だけの静かな山頂でじっくりと山座同定だ。山頂から東へ続く稜線の奥には久山岳と剣山、そして眼下に広がる雄大な十勝平野に圧倒され~北から西へと視線を移すと遙か遠くに東大雪や十勝連邦、夕張山塊が霞み~そしてペケレベツ岳と連なる山々の前にはパンケヌーシ岳が鎮座する。そして何と言っても圧巻は、西から南へと移す視線の先に展開されるチロロ岳、1967峰、ピパイロ岳、伏美岳等の北日高の山々である。

「伏美岳は?」「あぁ~雲がかかっていて・・・もう少しで見えて来るんじゃないか」、、、じっとその時を待つ、、、少しずつ少しずつ雲が上がって来てついに伏美岳もその姿を現した。ここから見る限り~他の山々と比べると地味な印象だが、比較的登り易いし、ピパイロ岳への起点とも言える山である。

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芽室岳から続く稜線の奥に~久山岳と剣山
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パンケヌーシ岳方面
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チロロ岳方面

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左から伏美岳、ピパイロ岳、1967峰
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久しぶりに目の前に広がる日高の山々・・・もう10年以上も前になるのだが、、、2002年に山仲間と歩いた伏美岳からピパイロ岳、そして山中泊して翌日の1967峰へと繋いだ山行。やっとの思いでピパイロ岳の山頂に立った瞬間夕闇迫る幌尻岳と戸蔦別岳のシルエット1967峰で立ち尽くす仲間達・・・その時の残像が走馬灯のように駆け巡る。

「こんにちは~」二人組の男性が登って来た。「凄い天気ですね」「いやぁ~素晴らしい」「残念ながらカムエク方面は雲に包まれていますが」「いやぁ~これだけ見えればね~最高ですよ」「あぁ~幌尻岳もちらっと見えていますね」

「それではお先に失礼します」二人の男性と入れ替わるように、私達は山頂を後にした。「さあ、もう見納めよ~」おばさんはそう言いながら秋色に染まり始めた稜線を下って行く。途中で数名のグループとすれ違い~登りで追い抜かれた単独の男性も登って来た。先に西峰に登って来たと言う。少しだけ山談義をして別れる。分岐の手前で単独の女性も登って来た。

分岐からは~長い長い下りの始まりだ。時間はたっぷりある、急ぐ山行でも無い。何度も休憩しながらのんびりと下って行く。やがて沢の水音が一段と大きくなって来て、登山口の近いことを知る。登山道脇にフッキソウの果実を見つけてカメラを向けた。

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ガンコウランとコケモモの果実

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ウラシマツツジの紅葉

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パンケヌーシ岳を見ながら下山

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フッキソウの果実

コースタイム(含休憩時間)

登山口 07:15  西峰分岐 10:05-10:20   芽室岳 10:45-11:10  西峰分岐 11:30  登山口 13:35

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