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稀府岳は伊達紋別岳の南側に位置する標高702.2mの山である。伊達紋別岳の7合目「いっぷく広場」から何度もその迫力のある山容を眺めていた(伊達紋別岳8合目手前の見晴台付近から見た稀府岳はこちらから)。ネットでは昨年あたりから夏道コースを見かけるようになった。「登るなら残雪期か晩秋だね」そう決めて、昨年から地図も用意していた。稀府岳の登山口は、伊達市のJR稀府駅から牛舎川沿いの道を真っ直ぐに進み(途中に伊達緑ヶ丘高等学校がある)、高速道路の高架をくぐって約500mで「稀府岳」の小さな標識を見て左折、約450m先の右側が登山口となる。駐車スペースは3台ほどである。

2013年11月16日午前9時40分、稀府岳の登山口をスタート。駐車スペース横の資材小屋?に「稀府岳登山口」の標識が打ち付けられていた。まずはなだらかな林道歩きから始まる。風は無く上空には青空が広がっていた。1週間ほど前の寒気はまるでウソのような小春日和となった。今回の行程は距離にして3km弱(片道)、標高差約560mである。やがてトドマツ林が現れ~その先から笹が刈り払われた沢地形を進む登山道となる。

小鳥の囀り以外は私達の落ち葉を踏みしめる音が聞こえるだけ・・・晩秋の山行に相応しい雰囲気である。やがて沢地形が一段と狭まるのを感じる頃に・・・

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登山口 
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資材小屋?に登山口の標識がある

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林道を進む

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トドマツ林

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沢地形が狭まり

なだらかな登山道は方向を変え~一変して急斜面を右へと斜行して行く。標高約330m、尾根取付き地点だ。登山口からここまで約1.2kmである。ここには固定ロープが張られていた。それだけ急斜面であり・・・そして何と言っても良く滑る。先日積もった雪が融けて水分たっぷりの土壌と化していたのだろうか。「こりゃあ、下山の時はちょっと大変かも?」そう思いながら慎重に歩を進めて行く。

ジグを切りながら登って行く登山道、一汗かいた頃にやっと斜度が落ち着き「お尻愛の木」へ(標高約420m)、二股になった木がちょうど腰掛けるのに好都合なことから命名されたのだろうか10時23分。尾根取付きからここまでが今回の山行で一番のきつい登りだった。先行していたお二人が休んでおられた。挨拶を交わして私達が先行する。

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尾根取付き地点

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急な斜面を右へ斜行して行く

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やっと斜度が落ち着いた地点が「お尻愛の木」

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「お尻愛の木」を過ぎると斜度が緩んで、なだらかな尾根に出る。ほっとしながら明るい樹林帯を進んで行くと、ほどなく樹林限界となり、一気に視界が広がる。一面笹に覆われた斜面に刻まれた登山道が目に飛び込んで来た。「ちょっと休もうか」「そう言えばほとんど休憩していなかったわね」ザックを下して水分補給をしながら上空の青空を見上げた。少し流れる雲はあるものの、日射しを遮るものでは無さそうだ。

「さて、行こうか」 いよいよ~山頂を目指して稜線を進んで行く。ここからは室蘭岳を見ながらの登りが続くことになる。

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なだらかな尾根に出る

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森林限界に飛び出す

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一面笹に覆われた斜面に登山道が刻まれている

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室蘭岳方面

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