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背の低い笹に覆われた斜面、細い刈分け道を~右に室蘭岳を見ながらゆるやかに登って行く。標高約560mほどで大きな岩のあるガマ岩展望台に立つ。眼下に伊達市街、そして右奥に有珠山も確認出来るのだが霞んでいた。「クッキリじゃないね」「気温のせいかな~まあ、小春日和に恵まれただけで十分だよ」。前方には、私達が森林限界で休んでいた時に再び先行されたお二人の姿が見え隠れしていた。下山して来る方々ともすれ違う、挨拶を交わしながらゆっくりと登って行く。

621mピークは笹が広く刈り払われていて「前稀府岳」の標識が立てられていた。ここにきてようやく見える山頂部は、見た目にはかなり遠い印象を受けるが~距離的には約500mほどである。

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右に室蘭岳を見ながら登る

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ガマ岩展望台

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眼下に伊達市街 右に有珠山が霞んでいた

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前稀府岳から山頂までは、笹が綺麗に刈り払われたすっきりとした稜線歩きだ。アップダウンを繰り返しながら段々と近づいて来る山頂を目指して進んで行く。「何か・・・伊達紋別岳の雰囲気ね~」「そうそう、良く似ているよ」。

山頂が近づくにつれて左に細いダケカンバ、そして右側が切れ落ちた細い稜線となって来る。遠望は霞んでいるものの、広がる青空と降り注ぐ日射し・・・小春日和の山歩きはとても心地良い。

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奥に見えるのが目指すピーク

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細い稜線歩きが続く
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最後の斜面を登り切って・・・立派な標識の立つ稀府岳の山頂に立った、11時10分。登山口をスタートしてから約1時間半だった。山頂からその先に少し踏み跡が続いていた。北側の展望は続く稜線と木々で遮られているものの、小さく伊達紋別岳が見えていた。その奥には洞爺湖も見える筈なのだが・・・霞んでいて確認は出来なかった。「羊蹄山は見えないね」「う~~ん、これだけ霞んでいるからね」おばさんは雪化粧した羊蹄山にも期待していたようだ。北東方面は視界が開けてはいたのだが、確認出来たのは来馬岳程度であった。

山頂に戻ってザックを下し小休止。先行されていたご夫婦も休まれていた。「何処かでお会いしていませんか?」ご主人に声をかけられた。「何処でしょうね、最近登られた山は?」「黒松内岳です」、どうやらそこですれ違ったようである。
「ひょっとしてホームページの?」「ハイ、そうです」「やはりそうでしたか、拝見していますよ」。後に、この方は同じMLに入っていらっしゃるwajiさんで、数日前にこの山に登った函館のsakagさん(そのレポートはこちらから)もご存じの方であった。まさしく山繋がり、ML繋がりと言ったところである。

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奥に見えるのが伊達紋別岳

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北東方面 右端に霞むのが来馬岳のようだ

wajiさんご夫妻に続いて~私達も下山を開始した。登っている時にはそれほど意識はしなかったが、左側(東側)が切れ落ちている細い稜線に刻まれた登山道が一目瞭然だ。
やがて眼下に噴火湾を望みながら下って行くのだが、、、ほぼ霞んでいて、おぼろげながらのイメージとしてとらえただけだった。「次回は残雪期だね」「そうね、今度は展望狙いでね」

12時25分、登山口に到着~装備を解いていると・・・若い単独の男性がやって来てコースの状態を尋ねられた。伊達紋別岳を下山してそのままこれから稀府岳に登ると言う。「私達で登り1時間半くらいでしたよ」「そうですか、それでは行ってきます」、私達ももう少し若ければ?1日2山で同じような山行をするだろう。羨望のまなざしで若者を見送った。

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下山開始 切れ落ちた細い稜線に登山道が刻まれている様子が良くわかる

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眼下の噴火湾(室蘭市方面)は霞んでいた

コースタイム(含休憩時間)
登山口 09:42  お尻愛の木 10:23  前稀府岳(621m) 10:55  山頂 11:10-11:27  お尻愛の木 11:55  登山口 12:25

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