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ブナに囲まれた急な尾根をゆっくりと登って行く。高度が上がるにつれてブナの紅葉は少しずつ彩を増して来る。5合目の標識を見てややゆるやかな登りとなり~登り切って東側の視界が開ける地点に飛び出す、6合目(標高約520m)。

二人連れの方が休んでおられた。女性の方から声をかけられた「ひょっとして~北海道あれこれの?」「えぇ~そうです」「ここでお会いできるとは・・・いつも今週は何処へ登られたのかと楽しみにしているんですよ」「ありがとうございます、最近はあまり登れていなくて~」
「今日は良い天気ですね~遠望はちょっと霞んでいますが・・・」少し色づいて来ている隣の尾根の彼方に、微かに羊蹄山が見えていた。「それじゃあ、お先に・・・」、私達は先に進んだ。

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6合目へ

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少し色づき始めた隣の尾根

地図上の528m標高点からは青空をいっぱいに感じながら一旦下って行く。「心地良いね~」急斜面の登りから一時解放された心地良さが体に伝わって来る。「そろそろ見えて来るんじゃないかな」「あっ、見えたわっ」木々の間から長万部岳が見えて来た。紅葉を手前に真っ白く冠雪した長万部岳・・・とはいかなかったが~その山頂付近はちょっとだけ雪らしいものが見えていた。

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木々の間から長万部岳

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「いよいよねっ、見えて来たわよっ」おばさんはちょっと力強く叫んだ。木々の間から見え隠れしていた山頂部は・・・ついに私達の前にその全貌を現す。大きさと言い険しさと言い、その存在感?と言い~とても標高700mそこそこの山とは思えない迫力である。初めてこの山に登った人ならここで間違いなく「おぅ~」と叫ぶことだろう。

そんな山頂部に向かっておばさんは淡々と進んで行く。何度も登っているから今後の展開は熟知している。この山の二つ目のポイントであるこれから始まる急登に~ゆっくりとゆっくりと近づいて行く・・・心を静めるかのように・・・

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木々の間から山頂部が見えて来て・・・

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大きな山頂部が目の前に

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