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肩が近づくにつれて傾斜が一段ときつくなって来る。「わぁ〜綺麗ね〜」やや雲が流れているものの見通しの良い青空の下を、背の低いハナヒリノキや咲き始めたばかりのヤマツツジ等に囲まれて歩くのは心地良い。ふと見上げると先行するおばさんの頭上を猛禽が旋回していた。「何か居るのかな〜」と思いながらもそのまま登って行く。

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ハナヒリノキに覆われた斜面を登る


おばさんの頭上を猛禽が旋回していた

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ヤマツツジが咲き始めた草原を

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ハクサンチドリ

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ヤマツツジ

先行していたおばさんが立ち止まっていた。「白いスミレよっ」 「これって何スミレ?」、葉は修飾語のつかない「スミレ」にそっくりである。唇弁には紫の筋が入り側弁基部には毛がある。特徴としてはシロスミレと同じなのだが、、、「でもこんな高所でも見られるのかな〜?」ちょっと懐疑的になりながらシャッターを押す。「こっちにもあるよっ」「私もそこで見たわ」。
下山してから「新版 えりもの植物」で調べてみると、「海岸線周辺、海食崖の植物」の中でシロバナスミレとして掲載されていた。

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シロバナスミレ
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オオヤマフスマ

10時55分、薄い雲が流れる標高約680mの肩に出た。登り始めてから2時間弱である。「残念だけど、えりも岬は見えないわね」 「どうします?」 「残り300mほど、標高差で約100mです」 「これは行くしかないでしょう」 「そうですね、心残りが無いようにね!」そんな会話を交わしながら山頂に向かって歩き始めた。

山頂までは広い風衝の草地が続く。ふっと雲が切れて二枚岳が顔を出す。「わぁ〜きれいだね〜」「奥に見えるのはオキシマップか」「あの山もアップダウンがきつくてね」。豊似岳やオキシマップ山、観音岳などご一緒したメンバーだから気心は知れている。「あの時は・・・」「そうそう、そうだったよね」思い出話しに花が咲く。

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肩から山頂へ向かって風衝の草地を行く

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二枚岳が大きく迫る 奥にはオキシマップ山
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