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私達の今年の夏山シーズンの始まりは豊似岳であった。素晴らしい展望を満喫しながら雪庇上を進み1088mピークへ、その後天候悪化で山頂は断念したものの、充実した山行となった。その時に〜「今年は一枚岳にも登ろう」と言うことになった。
一枚岳〜三枚岳、諸説があってややこしいが〜地元の人が慣れ親しんだ山名として、豊似岳南東尾根の先端から、787mを一枚岳、970.6mを二枚岳、1088mを三枚岳として後述して行く。

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カシミール3D〜カシバードで作成

一枚岳には過去に2度ほど登ったが登山道は無い。背の低いミヤコザサを漕いで草原の広がる尾根を行くことになる。エゾシカが走りまわる野趣たっぷりな山行となり、もちろんヒグマへの注意も必要だ。それともうひとつ言えばダニ対策だろう。まずダニが付かないことは無いと思っていなければならない。これはこまめにチェックするしか無い。
今回のスタートは豊似岳への入山ポスト地点から更に約2.8kmほど林道を進んだ地点とした。途中の林道はかなり荒れていて普通乗用車ではとても無理な状態であった。

2013年6月16日午前9時、林道脇から尾根に取り付く〜いきなりの藪漕ぎの始まりだ。「こりゃあ、相当ダニに悩まされるかも」誰しもそう思ったに違いない。今回のメンバーは、えりもからkusaさん始め4名、そして私達の総勢6名である。まずはホイッスルをひと吹き〜「入りますよ〜」とヒグマにお知らせ?を送る。腰の高さほどの笹をかき分け、倒木を避けながら樹林帯を登って行く。kusaさんが一か所だけ途中の木に目印のテープをぶら下げた。下山時の方向確認のためである。

樹林帯を抜けると〜前方には背の低いミヤコザサに覆われた広い斜面が展開する。「イヌエンジュですよね」「あっ、そうそう〜綺麗ね」kusaさんが答える。大きなイヌエンジュの木の葉が銀白色に光ってとても美しい。

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林道から山頂方面を見上げる

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いきなりの藪漕ぎ

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ギンリョウソウ

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樹林帯を抜けると背の低いミヤコザサに覆われた斜面が広がる
画像クリックで幅1024ピクセルでイヌエンジュの画像表示

「あの木の下で休憩しようか」、風は無く強い陽射しが照り付けて一気に汗が噴き出していた。木陰に入ってほっと一息、ザックを下して水分補給だ。休憩しながらも注意深く足元を確認する、小さなダニを見つけて慌てて振り払う〜「もうついてないよね」「大丈夫だよ」。結論として意外とダニは少なかった。下山してからだが私達はお互いに1匹ずつを確認したにすぎなかった?のである。

「さあ、行きましょう」〜ミヤコザサに覆われた遮るものの無い広い斜面を登って行く。登山道が整備されているわけでは無いので、しっかりと方向を確認しながら登って行くことになる。この日のように周辺が見えている時にはあまり問題は無いが、視界不良ともなると不安になるものだ。地図やコンパスはもちろんだが、私は夏山でも常時GPSを持参している。ログをとることが出来るし、下山してからの撮影場所やコースタイムの確認もできる。そして万が一ルートロスした場合には威力を発揮する。

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急な斜面を登って行く

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眼下には百人浜の海岸線が広がる筈だが・・・雲に覆われて

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今回の行程だが〜林道スタート地点(尾根取付き)から山頂まで距離にして約1.5km、標高差約460mである。肩(標高約680m)までは途中で何度か斜度がゆるむものの急な登りが続く。各々が自分のペースでゆっくりと登って行く。視界が良いのでお互いの位置を確認出来るから心配は無い。暑さに耐えきれず〜「ちょっと風が吹かないかなぁ」とつい愚痴?を言う。

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エゾミヤマクワガタ
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庶野方面を振り返る

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