title

さて、足元に目を向けてみよう。アポイタチツボスミレはやや終わりかけているものが多かった。淡い紫色と光沢のある葉、側花弁内側の白い毛〜まだ綺麗に咲いているものを見つけて、強い日差しにちょっと難航しながら・・・シャッターを押す。ちょっと白っぽい個体も見受けられた。

そしてアポイアズマギク〜これはまさしく旬、岩場のあちこちに咲くさまは私の大好きなロケーション。平日の登山者が少ない登山道でじっくりと腰を据えて?カメラを構える。サマニユキワリはほぼ終わりかけていた。「もう少し早く登ればね・・・」ちょっと落胆気味におばさんは言う。「まあ、サマニユキワリが旬だったら、アポイアズマギクはまだ咲き始めだろうから〜」
先行していた二人連れの女性がカメラを構えていた。「あっ、飛んだ」黒っぽい小さな蝶がふわりふわりと舞っている。「こっちへ来て!」〜国指定天然記念物の蝶「ヒメチャマダラセセリ」とのことである。

「あっ、チングルマよ」おばさんが叫んだ。この山でチングルマを見るのは何年ぶりだろうか〜ちょうど咲き始めであった。

1
アポイタチツボスミレ
2
(おばさん撮影)

3
白っぽい個体

4
7合目付近

5
アポイアズマギク
6

7

8

9
チングルマ

10時15分馬の背に飛び出した、視界が一気に広がる。抜けるような青空の下に吉田岳〜ピンネシリ、そして奥には日高山脈南部の山々が霞む。「おぉ〜綺麗だぁ」私は叫びながらシャッターを押す。何度も確認している眺望だが〜そのたびに新鮮に映る光景でもある。腰を下してミネラルドリンクを飲み干しながらしばしの休憩だ。

10
馬の背へ

11
右にピンネシリ 左奥に南日高山脈が霞む

12
ピンネシリと吉田岳  画像クリックで幅1024ピクセルのワイド画像

前方にアポイ岳山頂部を見ながら進み始めた。強い陽射しが降り注ぐ登山道、気温は結構上がっているようだが、時折吹く風が心地良い。
「意外と涼しいわね」「もっと暑いかと思っていたけどね」、、、おばさんはどんどん先行して行く。私はそんな様子をカメラにおさめながら後を追う、いつもの私達の登山スタイルだ。
岩場にさしかかるころ〜おばさんがあちこちでしゃがみ込むようになった。「何か咲いているな」私は急いで駆け付ける、サマニユキワリだった。いつもの7合目の下の斜面では終わりかけていたのだが・・・見事なロケーションで咲き誇る。「こんなに綺麗なのは初めてじゃない?」「うん、これは見事だね」

13
前方にアポイ岳山頂を見ながら

14

15
サマニユキワリ
16

17

18


登山ものがたりへ 次のページ HOME