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やがて8合目の標識を見て振り返った馬の背方面には少し雲が湧き始めていた。しかしそれほど天気を崩すようなものでは無さそうだ。時折吹く風のおかげであまり汗をかくことも無く〜岩の露出した尾根は斜度を増して行く。

「あっ、あそこを見て」おばさんが指を差す。ちょっと離れた岩場にエゾキスミレの群落が見えた。「あれは良い、あれは・・・・ズームで撮って」とおばさんに指示を出す。「こんな感じかな?」おばさんが液晶画面を私に見せる、「うん、縦でも撮った方が良いね」。この場面はおばさんにおまかせである。足元に咲く個体は私がじっくりと撮影する。

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8合目上部から馬の背方面を見る

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エゾキスミレ
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エゾキスミレの群落をズームで(おばさん撮影)

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そしてやっぱりヒダカイワザクラ、私の大好きな花である。

その名前の通りに岩場に咲いているのだが、そのロケーションには私なりの拘りを持ちたいといつも思っている。あちこちに点在するように咲く様を見定めながら「これだっ」と狙いを定めてシャッターを押す。あくまでも私なりの自己満足な世界でもあるのだが、綺麗に撮れたうれしさがこみ上げるものだ。もっとも最終的には帰宅してからのPCでの確認画面だ。思っていた通りの画像にはなっていなくて・・・泣く泣く落胆する方が圧倒的である。それ故にまた次の機会を追い続けるのだ。

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ヒダカイワザクラ
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アポイキンバイをズームで(おばさん撮影)

9合目を過ぎると一段と斜度が増して来る。急がずゆっくりと〜周囲の花々を楽しみながら・・・やがてアポイ岳から吉田岳、ピンネシリへと続く細い稜線と、その奥には鋭峰「楽古岳」が見えて来る。登りがキツイところではあるが〜ここは撮影ポイントだ。息を整えてファインダーを覗く。

撮影が済んでもうひと登り、アポイ岳の山頂に立った。11時25分、登り始めてから3時間35分だった。腰を下して軽食を食べていると二人連れの女性も登ってきた。「蝶は撮れましたか?」「えぇ、撮れましたよ」、そう答える笑顔のお二人。「それじゃあ、お先に・・・きっとまた追いつかれると思いますが・・・」、私達は下山を開始した。

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アポイ岳から吉田岳への稜線の奥に楽古岳
画像クリックで幅1024ピクセル画像で表示

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馬の背へと続く尾根と奥には様似海岸を見下ろしながらゆっくりと下って行く。「こんにちは〜」平日とあってそれほど多くは無いものの、登って来る人たちと挨拶を交わす。私はカメラのレンズを取り替えて花の写真の撮り直しだ。おばさんも「もう撮らないわ」と言いつつも、綺麗な花を見るとやはりカメラを向けていた。

14時55分、駐車場へ到着。「綺麗だったわね〜」「馬の背から上の花模様は今までで一番綺麗だったな〜」、、、「明日の土曜日はもっと賑わうだろうね」私達はそんな言葉を交わしながら車に乗り込んだ。

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コースタイム(含休憩&撮影時間) ほとんど参考になりません
駐車場 07:50  5合目(山小屋)09:20-09:30  馬の背 10:15-10:30  山頂 11:25-11:45  馬の背 12:30  5合目(山小屋)13:00-13:15  駐車場 14:55

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