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例年、私達がアポイ岳を最初に訪れるのは5月上旬〜中旬である。今年は野山に咲く花々の開花は1週間以上遅れていた。「こりゃあ6月の始めでも良いくらいかも・・・」そう思っていたのだが、一気に気温が上がって来て周辺の花々は「遅れを挽回」とばかりに一気に咲き始めた。「ヨシ、アポイ岳へ行こう」

2013年5月31日(金)、私達は新装なったアポイ岳ビジターセンター奥の登山者駐車場に立った。平日とは言え既に先行者の車が数台とまっていて、私達が準備をしていると更に二人連れの女性も到着。「やっぱりこの時期は人気の山だよね」そう言いながら装備を整えスタート、7時50分。ほどなく入山ポストに届けを済ませて登山道に入って行く。
登山道脇にエゾオオサクラソウが咲いていたが、さすがにもうほぼ終盤。ひと頃の輝きは無いもののアングルを意識しながらカメラにおさめる。二人連れの女性が追いついて来た。写真を撮りながらの私達は、最近では追いつかれることはあっても、追い抜くことはめったに無い。お二人の女性は花と蝶の写真を楽しまれるとの事、もちろんカメラ持参であった。結局この日はお互いに前後しての山行となった。

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エゾオオサクラソウ
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春の木漏れ日が注ぐ登山道をゆっくりと登って行く。さすがにこの時期になると足元にはもう目立った花々は見当たらない。フイリミヤマスミレはほぼ終わり、タチツボスミレとヒメイチゲがまだポツポツと咲き残っている程度。それでも数は少ないもののオクエゾサイシンやセンボンヤリを見つけてしゃがみ込む。
気温は上がってきているものの蒸し暑さが無いためか、虫に纏わりつかれることも無い。途中の休憩所脇に流れる清流のせせらぎに耳を澄ませる、、、ひんやりとした空気が心地良い。

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オクエゾサイシン

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センボンヤリ

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木漏れ日の中を

樹林帯を抜けて5合目(山小屋)に飛び出した、9時20分。駐車場を出発してから1時間30分を経過していたが、すんなりと登ればもっと短縮できるだろう。もっとも私達の山行は登る事が最終目標では無く、咲く花々や展開する光景を楽しみながらカメラにおさめて〜ゆっくりとその山に浸ることである。そのためにも早めスタートはほぼ必須となる。

5合目で少し休憩して、いよいよ馬の背に向かって登って行く。岩の露出した急な尾根、一気に強い日差しが降り注ぐ。「ここからだな」いよいよ始まる花模様にちょっとドキドキしながら、ゆっくり、ゆっくりと登って行く。振り返ると眼下にブルーの太平洋が広がる。
    
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5合目へ

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右がアポイ岳山頂

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馬の背へ向かって

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眼下にブルーの太平洋


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