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7合目からは尾根上を進んで行く。樹林に囲まれた登山道は展望は開けないが、それほどキツイ登りも無い。道端に咲く花々に目を向けるのだが、さすがに春から初夏にかけての輝きは無い。ミミコウモリやヤマブキショウマ等地味な花の出番である。「ウソが鳴いているわねぇ」「おっ、また鳴いたよっ」、どうやら周辺に居るらしい。

斜度が増して来るとジグを切って8合目、この頃から木々の間から周辺の山々が見えて来る。9合目(標高約1150m)が見晴台である。その名の通り展望が開ける地点ではあるが、もう少し先に歩を進めよう。

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9合目(見晴台)

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ミミコウモリ

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ノリウツギ

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オニシモツケ(おばさん撮影)

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ヤマブキショウマ

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トリアシショウマ(おばさん撮影)

先を進むおばさんが立ち止まった、、、「ウソが居たんだけど、逃げられちゃったわ」おばさんは残念そうに言う。更に少し進むと前方にまた「ウソだっ」小声で叫びながらおばさんはカメラを構える。「ほら、とまったぞっ」、静かに近づきながらおばさんはシャッターを押した。セリ科の花にとまったウソは食事に夢中でこちらの存在に気が付いていないようだ。

後ろからご夫婦が登って来た、「ほら、そこにウソがとまってますよ」「あら、本当だ!」。「さあ、どうぞ、私は写しませんから」カメラを持ったご主人と入れ替わった。おばさんとそのご主人はシャッターを押しながら段々と近づいて行く。ウソは相変わらず食事に夢中である。さらに二人連れの男性も登って来た。「ウソがそこに居るんです」、まるでウソの撮影会のようになった。さすがのウソも、そんな賑わいに気が付いたのか〜藪の中に飛び去った。

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結実した花の実をついばむウソ(おばさん撮影)

山頂が近づき視界が開けると風が一気に強くなって来た。飛ばされそうになる帽子を抑えながら羊蹄山をメインに視線を移して行く。昆布岳、羊蹄山、ニセコアンヌプリ、尻別岳、そして無意根山等〜札幌近郊の山々のシルエットが広がる。そんな展望をカメラにおさめて、一段と強くなった風を受けながら岩場の山頂に立った、10時05分。

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視界が広がって来て

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右に羊蹄山、左に小さく昆布岳

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左に羊蹄山、右に小さく無意根山、定山渓天狗岳等の札幌近郊の山々

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羊蹄山をズーム 左後方にニセコアンヌプリ、手前に尻別岳  左手には貫気別山と竹山が見える

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岩場の山頂に立つ

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