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夏山シーズンとしては5年ぶりの札幌岳を目指すことにした。午前7時過ぎに登山口の駐車場に到着、すでに先行者がいるようで、2台の車がとまっていた。早速装備を整え、虫よけスプレーをさっとかけ、入山届けを記入して〜2012年6月16日午前7時25分、駐車場奥の森の中に吸い込まれて行く。
静かな登山道を進んで行く、忽然と現れるカラマツ林を抜け〜そして最初の渡渉地点、水量は少なく飛び石伝いで問題なく通過。次の渡渉地点では丸木橋を渡る。私達の今年の夏山シーズンは久々の札幌近郊の山めぐりで始まっていた。5年前の記憶を辿りながら歩いて行くのだが、山行スタイルも当初とは少しづつ変わって来ているので〜新たな発見があったりして結構新鮮である。

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登山口から新緑の森の中へ

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カラマツ林

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最初の渡渉地点は飛び石伝いで

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途中の丸木橋

この日の天気は薄日の射す高曇り、風は弱い。そんな気象条件に誘われるかのように、すぐに虫さんに纏わりつかれる。「こりゃあ凄いな」そう言いながら私は「うちわ」を持って来なかった事を悔やんだ。手で払いのけるのだが、そんな事であきらめる虫さんでは無い。あちこちにチクッと痛みを感じると〜ほどなく痒みに襲われる。
「そうだ!」私はジプロックに入れた地図を取り出し、うちわの代用として使ってみた。「うん、まずまず使えるな」、地図にこんな使い方があったとは〜苦笑しながら虫さんを払いのける。この調子だと山頂に着くまでの間に地図はボロボロになるかも?

登山道脇にはズダヤクシュがびっしりと咲いていた。綺麗なサイハイランやコケイランを見つけてしゃがみ込む。マイズルソウとエゾノレイジンソウはちょうど咲き始め、残念ながらナンブソウはほぼ終盤〜もう少し早ければタチツボスミレとナンブソウが登山道脇に咲きそろっていたことだろう。

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ズダヤクシュ

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サイハイラン(おばさん撮影)

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マイズルソウ

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ナンブソウ

登山口から1時間弱で林道を横切る。「休憩しようか」ザックをおろして水分補給だ。ペットボトルを口にしながら林道脇に目をむけると・・・驚いたことにそこには沢山のハクサンチドリが咲いていた。「白花は無いかな〜」「これは凄く綺麗だよぅ」等と言いながらカメラを向ける。

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林道交差地点

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ハクサンチドリ

今回の行程は距離にして約6km、標高差859mとそれなりの登りごたえがある。冷水小屋までは沢沿いのなだらかな道のりだから、咲く花々と沢の流れを楽しみながら、後半戦の急登に備えるのだ。

それにしても〜静かな山行だった。土曜日でしかもまずまずの天気である、もっと沢山の人達が登っていると思った。しかしすれ違う〜いや追い抜いて行く人達はほぼ単独の男性ばかりだった。予想外の静けさの中で〜左下に沢音を聴きながら高度を上げて行く。やがて新緑の木々の間から冷水小屋が見えて来た、9時10分。

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冷水小屋が見えて来た

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コケイラン(おばさん撮影)

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エゾノレイジンソウ

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