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冷水小屋には鍵がかかっていた。どうやら小屋番さんは来ていないようである。4年前の2月に山スキーで訪れた時以来の静かな小屋だった。小屋の脇に勢いよく流れる沢の水音が清々しい。

「行こうか」ミネラルドリンクを飲み干して〜いよいよ標高差200m強の急登が始まる。ゆっくりと慎重に急斜面を登って行く、「落石注意だぞっ」私はおばさんに声をかけた。「これってカラスシキミ?」「これはツルシキミだねっ」急登に喘ぎながらも、しゃがみ込みカメラを向ける。これは結構つらいものだ。しかし〜撮らないわけには行かない、そんな体質?になっているのだろう。
ほどなく斜度が緩んで来るのだが、「いやいやまだこれからだろう」と自分に言い聞かせる、そしてまた〜急登が続くのだ。

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冷水小屋入口

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冷水小屋内部(2008年2月2日撮影)

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小屋の横から急登が始まる

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カラスシキミ

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ツルシキミ

私は時々振り返った、木々の間からの展望を待ってた。それが広がってくると斜度も緩んで来る筈である。「まだだなぁ」そう言いながらまた俯いて登って行く。やがて木々の間から無意根山が見え始めた。「ふぅっ〜〜〜」とひと息つきながらカメラを向けた。「羊蹄山も見えてるなぁ」「ほら、こっちからは〜余市岳かしら」、余市岳と朝里岳へ連なる稜線、そして白井岳と手前には定山渓天狗岳が見えていた。

登山道が方向をかえて南へ向かって行く頃には斜度が緩んできて、やがて笹に囲まれたなだらかな道が山頂まで続く。

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木々の間から無意根山が見えて来る

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羊蹄山も見えて

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左に余市岳、右に白井岳とその手前に定山渓天狗岳

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笹に囲まれたなだらかな登山道が続く

所々粘土質の登山道に足をとられながら、足元に綺麗に咲いているミヤマスミレや、目国内岳でも見たウスバスミレを見てカメラを向ける。単調な登りが続くだけにそんな花々が迎えてくれるのがうれしい。

途中で下山して来る3人組の男性とすれ違った。「こんにちは〜」「素晴らしい展望ですよ〜」、「そうですかぁ」「素晴らしいですよぅ」、そんな言葉を聞いて元気が出て来る。やがて周囲に一段と明るさを感じて〜札幌岳の山頂に飛び出した、10時40分。登山口から3時間20分だった。

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粘土質のところもある

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ウスバスミレ

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ミヤマスミレ

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ウコンウツギ(おばさん撮影)

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札幌岳山頂

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