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1月11日に手稲ネオパラに登って以来、山へは登っていなかった。とにかく今年の冬はすっぽりと寒波に包まれ、そのあまりの寒さに恐れおののき?、、、市内の上空は時々青空が広がるものの山の方向へと目をやると真っ白い雲に包み込まれているわけであり・・・そのたびに出発準備完了の装備を解く。「まあ無理しないさ〜山は逃げないから」と自分に言い聞かせ、市内の近場の山や公園を散策しながらその時を待った。

自分なりの予報(単なる「勘」と言うものだが)と天気予報が合致、「良し、明日こそだ」決めたのは前夜だった。2011年2月20日、私達は5年ぶりのオコタンペ山に向かうことにした。この山には過去2回登っているが天気に恵まれず、あの恵庭岳の雄姿を確認出来ていなかった。もちろん眼下に広がる筈のオコタンペ湖にも期待が膨らむ。
過去2回は国道453号線からオコタンペ湖に向かう冬期車両通行止めの道道を進んで尾根にとりついていたが、今年はその道道が工事中で全く通行出来ない。そのため今回は漁岳林道から尾根に取り付くルートで登ることにした(最後のページのGPSログ参照)。

午前8時30分林道をスタート、やや白っぽい青空が広がっていて風もほとんど無い。「今日こそだぞ!」期待に胸が膨らんだ。前日のものと思われるトレースに沿って進んで行く。ほどなく尾根取り付き予定地点へ、、、先行トレースはいずれも漁岳に向かってまっすぐに進んでいた。「こりゃあラッセルだな」私が先頭で針葉樹林帯の際に沿って尾根に向かって登って行く。寒気のおかげ?でもあるのだが、軽い粉雪はラッセルも軽快だ。「さあ、交代」ある程度方向が見えて来たところで、すぐにおばさんにバトンタッチ。樹林を交わしながら徐々に高度を上げて行く。

「見えて来るかしら?」微かに恵庭岳のシルエットが浮かんでいた。「大丈夫、今日は段々天気が良くなるんだから・・・」私は力強く言ったのだが、、、果たして・・・

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漁岳林道を出発

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尾根へ取り付き

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樹林帯をジグを切りながら登って行く

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微かに恵庭岳のシルエットが・・・

久しぶりの登りである、ペース配分に注意しながらジグを切って登って行く。「まあ、高度的にはこの尾根の登りが一番きついから、ここをクリすればあとは小さなアップダウンの稜線歩きさ」。しかし、その稜線歩きに結構難儀しようとは・・・
作業道跡のような形跡と何度か合流したがそれには沿わずに、方向を定めて小さくジグを切りながら尾根に忠実に登って行く。やがて上空に青空を感じる。「もうすぐ稜線に出るぞ」「見えるかしら?」おばさんはグイグイと登って行く。9時25分、稜線に飛び出した。

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上空に青空が見えて来て・・・

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稜線に飛び出す

「ううっ、見えないぞっ」、予定では漁岳が見える筈なのだが、、、真っ白い雲が広がっていて何も見えない。「まあ、これからだよっ」10分ほど休憩していよいよ稜線歩きが始まる。

746m標高点から880mピークまでの稜線の東側には雪庇が張出していた。西側には木々が密集しているので雪庇と木々の間の細い稜線上を進んで行く。小さなアップダウンにくわえて凹凸も結構あり、しかも注意すべきは落とし穴。小さなくぼみや木の周囲は要注意だ。単なるくぼみだと思ってストックで突くと、結構大きな穴に広がる。「注意しろよ!」そう言っていた私のスキーのテールがその穴に落ちかかった。体制を崩して転倒したが、すぐにザックをおろして立ち上がり〜事なきを得た。それほど深くは無いと思われるがいやな感じである。相変わらず恵庭岳の微かなシルエットが見えていた。

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細い稜線を進む

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落とし穴?注意

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稜線の東側に雪庇が・・・

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微かに恵庭岳のシルエット

やがて880mピークが目の前に見えて来た。思っていたよりも急なピークに直登はあきらめ、標高800m付近から西側斜面をトラバースしながら徐々に標高を上げてコルに向かうことにした。結構密集している木々を避けながら進んで行く。「こりゃあ帰りも滑りを楽しむどころじゃ無いね、、、」もっとも今回は滑りを楽しむと言うよりも展望狙いの山行である。滑りは「おまけ!」と最初から思っていたから「想定内」と言うところだった。

「この木に気をつけて・・・」先頭を進む私の声のトーンが心無しか弱まっていた。それは天気である、前方が霞んで来て雪が舞い始めたのだ。「なんだよ、これは」「降って来たわね」おばさんの声も沈んでいる。しかもオコタンペ山の方向は暗い!! 「どうする?」「どうしよう」・・・首からぶら下げたカメラにも雪が降りそそぎ、ちょっとレンズも曇り始めた。モチベーションが上がらない。

「とりあえず、コルまで行こうか。そこでちょっと待って・・・展望が無ければやめると言う事で」「そうね」山頂には拘らない私達は俯きながらコルへ向かって進んで行く。

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880mピークが前方に見えて来る

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西斜面をトラバース

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雪が強くなって来た

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