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相変わらず周辺は霧に包まれていた。時々霧は一段と濃くなってきてほぼ霧雨状態となる。しかしそれがずっと続く訳でも無い。「きっと天気は良くなるさ」そう信じつつ登って行く。

5合目を過ぎるとハイマツトンネルとなった。「あっ、イワブクロよっ」おばさんが叫ぶ、ハイマツの下に隠れるようにイワブクロが咲いていた。「これって〜白花じゃない?」おばさんの声に私の視線はくぎ付けになった。イワブクロの白花は先日の大雪山行で見たばかりである。「白花だよっ」私は狂喜しながらカメラを向けた。ファインダーの中にイワブクロを取り込む、、、白い、確かに白いのだが、、、微かに淡い紫の筋も見受けられる。限りなく白に近いイワブクロはことのほか美しかった。

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ハイマツトンネル

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イワブクロ(白花に近い個体)
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ハイマツトンネルを抜けると6合目、視界は一気に広がる筈なのだが・・・ちょっと明るくなって来たもののまだ周辺は霧に包まれたままである。
「あっ、イチヤクソウよっ」「カラフトイチヤクソウかな」露に濡れて数本のイチヤクソウが咲いていた。厚みのある葉っぱと大きな花、全体的にちょっと紅みを帯びた印象が特徴的だった。ハイマツトンネルの中でも似たようなイチヤクソウを見た。花は少し小振りで全体的な紅みは感じない、これはエゾイチヤクソウなのだろうか?

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6合目

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カラフトイチヤクソウ
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エゾイチヤクソウ?

7合目で阿寒富士へ向かうコースを右に分け、何となく上空に明るさを感じながら登って行く。二人連れの下山者とすれ違った。雌阿寒温泉コースから登って来たと言う。「どうでしたか、山頂は?」「青空だったんですが、又ガスが流れ込んでいますね」、、、8合目付近で再び阿寒富士へのコースを右に分けて、更に登って行くと単独の男性が下って来た、「山頂は青空で噴火口も見えていましたよ」「そうですか、期待できそうですね」「でもガスが流れて来ていますね」「う〜〜ん、そうなんですよ。何とか晴れてくれれば良いのですが・・・」そんな言葉を交わしながらゆっくりと登って行く。

足元には見事なイワブクロの群落があちこちに広がっていた。先日の大雪山でもそうだったが、今年はイワブクロの当たり年?なのかもしれない。

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8合目

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イワブクロの群落
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(おばさん撮影)

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