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高気圧が張り出して来た、「これなら大丈夫」と決めたのは出発前夜。目指すはホロホロ山北西尾根、今年の雪山のメインとして予定していた山行である。とにかく好天が絶対条件だった、そして出来れば雪質に恵まれてくれれば・・・そんな思いで翌早朝札幌を出発した。中山峠を下って行く、くっきり青空と思っていたのだが〜薄い雲が広がっていた。

2012年3月4日午前8時前に伊達市大滝工芸館前の駐車場に到着。曇り空からは時折日射しも感じるものの小雪が舞っていた。「どうする?少し待ってみようか?」「そうね、せっかくここまで来たんだから」「これから天気が良くなって来ると思うんだけど・・・」。一応装備をチェックしていると一台の車がやって来た。「ホロホロ山ですか?」「えぇ、そうです」単独の男性はすぐに出発準備を始めた。これを機に私達は出発モードへ!「まあ、天気が良くならなかったらモンスターを見るだけでも良いんじゃない」そう言いながら午前8時20分工芸館横をスタートした。

うっすらとスキーのトレースが残っていた。「これがあれば助かるよね」そのトレースに乗って斜面をひと登り、広くなだらかな尾根に出た。ほどなく単独の男性が追い抜いて行く。「トレースどうもありがとうございました」お礼を言われて「いえ、どうも」と言葉を返す。その男性の足元はスノーシュー、ザックにはピッケルが!「きっと山頂まで行くんだろうな」そう思った。
今回の私達の行程は、標高1200mを越えて徳舜瞥山とホロホロ山を見る位置までである。距離にして約6km、標高差800m弱。もちろん展望が期待出来ないようであれば途中撤退も有りと決めていた。

なだらかな尾根の少し木々の少ないところを進んで行くのだが、やがて必然的に木々の密集する樹林帯へと導かれてしまう。薄日も射す曇り空からは相変わらず小雪が降り続いていた。「止んでくれないかな〜」カメラにかかる雪を払いのけながらうらめしそうに空を見上げる。

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大滝工芸館横をスタート

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なだらかな広い尾根

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疎林帯を進み

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樹林帯の中へ

標高650m付近に来ると目の前に木々の密集した斜面が立ちはだかる。標高差50mほどだが登りでも下りでもちょっと難儀する地点だ。先行するスノーシューのトレースは、私達の予定通りその斜面を右に斜行して登っていた。途中からそのトレースを外れて小さくジグを切って登って行く。
「見えてるわよっ」先を進むおばさんが叫ぶ、木々の間から白老岳が見え始めたのだ。「うん、良いんじゃないの〜」と言いながらも、見えてるうちにとカメラを向ける。写真を撮りながら少し進むと再びスノーシューのトレースと合流した。

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前方に木々が密集する急斜面が(標高約650m〜700m)

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右へ斜上して行く

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ジグザグと登って

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白老岳が見えて来る

825m標高点の手前でも標高差50mほどの急斜面がある。「確かあっちから登ったんじゃない?」過去の記憶をもとにおばさんが言う。「そうだね、そっちへ行ってみようか」、私が先頭でジグを切りながら登って行く。登り切ってまたスノーシューのトレースと合流する。標高825m標高点は10時ちょうど、登り始めてから1時間40分が経過していた。

「ほらっ、綺麗よっ」日射しを受けて雪を纏った木々が輝く。そう言えばなんとなく登り始めた時よりも青空が広がり始めた気がする。白老岳も益々輝き始めていた、風は無いし雪質も良いようだ。「こりゃあ良いかもしれないぞ」声には出さずに私はおばさんの後を追った。標高970m付近の斜面もいつも通り美しかった。

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825m標高点に向かっての登り

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日射しを受けて輝きが・・・

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白老岳を見ながら

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標高970m付近の美しい斜面を登る

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