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この時期としては気温の低い日々が続いていた。天気予報では「曇り午後から時々晴れ」あくまでも下界の天気である。天気図を見ても素晴らしい展望は期待できそうにも無い。「まぁ、花を見るんだったら良いかもよ」

2012年6月24日午前6時05分、私達はガスに覆われた望岳台を出発した。今回目指すのは大雪山系十勝連峰の美瑛岳(雲ノ平コース)である。狙いは雲ノ平に咲く花々ではあるが、山頂迄は標高差1122m、距離にして約6.5kmの行程は決して侮れない。このコースのポイントは深くえぐられた沢を越える地点、ポンピ沢の渡渉、ポンピ沢から標高差200mを越える急登等だろうか。

緩やかな火山れきの斜面を淡々と登って行く。ガスに包まれて視界は50m程度、先行している単独の男性の姿が見え隠れしていた。約50分で十勝岳への分岐に到着。単独の男性は十勝岳方面へと向かっていた。私達はちょっと水分補給して美瑛岳方面へ向かった。ガスの切れ間から時折見える山肌が今後の天候回復に少しだけ期待を持たせる。

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白銀荘への分岐地点

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十勝岳への分岐

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十勝岳の山腹に位置する雲ノ平のトラバースは雄大だ。次から次へと流れこむガスが展開する光景に目を見張りながら、ファインダーを覗きこむ。所々まだ大きな雪渓が残っていた。雪渓尻の踏み抜きや雪面の氷化に注意しながら一歩を踏み出す、念のため持参したアイゼンは必要無さそうである。刻まれたステップに忠実に、そして慎重に歩を進める。眼下に広がる雲海の奥に少しだけ青空を感じて振り返る。

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眼下の雲海の奥には〜少しだけ青空が・・・

視界は良くないものの、風は弱く花を楽しみながら歩くにはちょうど良い。たっぷりと露に濡れた花々もそれなりに雰囲気はあるが、本来の姿かたち?にはほど遠い。そんな訳で以下の写真はほとんど帰路に撮影したものである。もちろん往路でも写してはいたが・・・

イソツツジ、メアカンキンバイ、マルバシモツケ、イワヒゲはちょうど見頃、イワブクロ、チングルマは咲き始めの状態だった。そして最大の狙いだったエゾコザクラ、往路では露に濡れてションボリした姿であったが、帰路には「おぉ〜〜〜っ」と叫んでしまうほどの見違える美しさで咲き誇っていた。

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イソツツジ

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メアカンキンバイ

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マルバシモツケ

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イワヒゲ

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イワブクロ

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チングルマ

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エゾコザクラ
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