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9時30分、稜線に飛び出した。登山口から2時間弱であった。少し豊似岳方面へ進んだ地点が雪に埋もれた廃屋のあった?場所である、いつもの休憩地点だ。ここで大休止、遅れ気味の人達を待った。風は弱いものの小雪が降り続け視界は良くない。「こりゃあ、今日はここで終わりかな」kusaさんに語りかけながら私はほぼあきらめかけていた。間もなく後続の人達が到着した。
「ここまでで5名の方々が下山します、他にいらっしゃいますか?」えっ?と言うことは登るのか???「今日予定のオキシマップ山はこの天気ですから中止します。豊似岳までのピストンにします。」私達はあわててザックを担いだ、10時ちょうど。

稜線の雪庇上に飛び出した。視界はあまり良くないものの近くの状況は十分に確認出来た。そしてなにより雪庇は安定していたし、この時期としてはツボ足に最高の雪質となっていた。埋まること無く、かと言って硬すぎずアイゼン不要。実に足元に優しい状況だったのである。「こりゃあ〜最高ですね」「全く埋まりませんよ」「快適だわっ」

廃屋跡
廃屋跡に積もった雪の上で休憩

雪庇の上を
小雪交じりのガスの中、雪庇の張り出した稜線を行く

雪庇2

例年のこの時期なら、時々ズボッと埋まり、足を抜き立ち上がる。そんな光景に笑いながらも自分もズボッ!!!雪庇に注意しながら時々ハイマツを交わしてルートを選んで進んで行く。そんな繰り返しなのだが、今年の特異な天気がこんな快適な状況を作り出してくれたのか、難儀無く進んで行く。

「見えて来るんじゃない?」立ち止り観音岳方面に目を向ける。うっすらと観音岳の山容が浮かんでいた。「もう少しだよっ」「がんばれ」そんな励ましの声にこたえることは無く、観音岳はまた視界から去って行く。いつもならもっとつらかった筈の1088mピークへの登りも〜何となくスーーッと登り切った、10時30分。

休もう〜

一瞬
一瞬観音岳へ続く稜線が・・・

1088mピークへ
1088mピークへの登り

「このあたりからよね、観音岳への分岐地点は」「去年は全く視界が利かなかったから、、、方向を定めるのが大変だったけど」「そうそう、でも途中からパッと晴れて・・・」「最高だったよね」。そんな昨年の観音岳への縦走はこちらから!

前方にはいよいよ豊似岳が見えて・・・いなかった。広い稜線を歩きだす。雪は弱まっていたがガスが山頂付近を覆っていた。遠望が開けぬまま、ただ快適な足元に満足しながら山頂に向かって行く。「なんとかガスが切れて・・・」私はそんな期待から何度も振り返りながら後に続いていた、、、いつしか最後尾を歩いていた。

時折うっすらと見える山容に目を見開くのだが、、、すぐにまたガスに包まれてしまう。「今日はこんな繰り返しなのか・・・あきらめよう」と自分に言い聞かせる。10時50分、豊似岳山頂に立った。風は弱いものの視界(遠望)は無い。それでも満足いっぱいの笑顔があった。登山口から3時間15分(含休憩時間)、今回は歩きやすい雪質に恵まれてのコースタイムだった。

豊似岳へ向かう
いよいよ豊似岳へ向かって

登り

山頂直下
山頂直下のハイマツ帯も難無く・・・クリア!

記念写真

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