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今年のGWは途中一日の休みをとって7連休となった。「道南にしよう〜」「そうだね、お花もそこそこ楽しめるだろうし」。しかし最近の傾向?だが休みとなると天気が悪い。29日は移動日、30日から1日にかけて近隣でお花散策モード、そして2日は3年ぶりの笹山から元山に縦走することにした。
登山口は江差町の中歌町の信号から入り、やがてサダサ川沿いの林道を進む。林道は3年前に来た時には結構荒れた部分もあったのだが、随分整備された印象ですんなりと登山口に着いた。

地図
       登山口へは江差町の中歌町の信号から約6km(オレンジ色)、赤は今回の歩いたコース(距離約6km) *緑は磁北線

笹山と元山には過去2回登っている。展望が一番良かったのが最初に登った2006年5月3日、縦走路等にはまだ結構雪が残っていて不鮮明な部分もあったが、遊楽部山塊や乙部岳等の展望は見事であった。お花を楽しめたのはその翌年の山行である。
今回は、この時期に夏道コースを登れる山としての魅力と、出来ればお花も楽しみたい、そんな狙いであった。しかし、、、「今年は寒い日が続いたからねぇ〜〜〜お花は期待出来ないかもしれない」「まぁ、山と展望を楽しめれば良いんじゃない」。ちょっと山に飢えていたし、とにかくゆったりと歩きたいと言う気持ちもあった。

2010年5月2日午前7時30分、登山口手前の駐車場には1台の車が止まっていた。「早い人がいるんだなぁ」ちょっとほっとしながら若いご夫婦に挨拶をした。「こんにちは〜〜〜」「こんにちは〜〜〜あのぅ、、、これって熊でしょうか」すぐ目の前にある黒っぽい糞、、、「熊のようですね」、「じゃあこっちは熊の足跡ですか」ちょっと不鮮明ではあるが草の上に刻まれた引っ掻き痕は熊のようである。「どうしよう・・・」ためらうお二人に、「糞は今日のものじゃ無いようだし、、、熊鈴を付けてこっちの存在を知らせながら登れば大丈夫だと思いますよ」札幌から来た方たちだった、せっかくここまで来て何日か前の熊の糞で山行中止では残念だろう。「私達は笹山から元山に向かって登りますから」そんな私達の言葉にちょっと不安そうに頷きながら、ご夫婦は登山口に向かって行った。

私達もすぐに装備を整えて出発した、7時40分。入山ポストの届け出を見て先行している二人が八幡岳に向かおうとしていることを知った。登山口から暗い林内に入りジグザグと尾根を目指して登って行く。登山道脇にはきちんとロープが張ってあった。「以前より随分整備された感じだよね」いきなりの登りにちょっと息遣いも荒く私は呟いた。約15分ほどで標高差100mほどを登り明るい尾根に出た。先行していたkさんご夫妻が地図を見ていた。「どうも〜〜〜お先に」と声をかけた。

スタート
登山口へ向かう

暗い林内
暗い林中をジグザグと登って行く

尾根に飛び出す
尾根に飛び出す

明るい尾根道は広く歩きやすい。昔は車道として利用されていたようである。「やっぱりまだあまり咲いていないようね」道脇には咲き始めたカタクリが少し見受けられるだけだった。「これじゃあ花は期待出来ないなぁ」そう答えながら進んで行くと前方に鳥居が見えてきた。その手前に車が(軽トラック)2台止まっている。山頂にある笹山稲荷の関係者の方の車だろうか〜

車を横目に鳥居前から登山道(参道)は沢に向かって行く。所々に雪が残っていたが柔らかくて難儀することは無かった。小さな沢にかかる橋も全く問題は無かった(3年前の時にはここがスノーブリッジになっていて注意しながら進んだ記憶があった)。橋を渡り終えて「わっ、綺麗〜〜〜」おばさんが声をあげた。エゾノリュウキンカがまるでスポットライトのような日差しを受けて輝いていた。「こりゃあ良いねぇ!!小休止」私はザックをおろしてデジイチを取り出した。ファインダーには輝くエゾノリュウキンカと透き通る沢水の流れがあった。

明るい道

鳥居から沢へ
前方の鳥居から沢へ

沢へ向かって

小沢の橋を渡る
小さな橋を渡る

リュウキンカちゃん
エゾノリュウキンカ

植林されたトドマツの林を抜けるとやがて小さな拝殿のある水場に到着した。数名の男性の方々が水場の整備をしていた。「御苦労さまです」「あっ、どうも〜気をつけてね」、声を交わしながら進んで行くとまた鳥居がある。

トド松の中を

水場
水場

鳥居
更に鳥居を抜けて

やがて登山道は笹に覆われた斜面を横切るように進んで行く。「見えてきたわよぅ〜〜〜」おばさんがうれしそうに叫ぶ。上空の青い空、そして眼下にはブルーの日本海が広がる。「登ってきて良かったなぁ」といつも感じる瞬間である。
右側には反射板が見えていた。kさんご夫妻は八幡岳に向かっているのだろうか?尾根から沢に向かった頃からお二人の熊鈴の音が聞こえなくなっていた。

笹に覆われた斜面
笹に覆われた見通しの良い斜面を行く

眼下に
ブルーの日本海が広がる

反射板
反射板が見えて

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