私は気になって過去の山スキーのレポートを読み返した。やはりここ数年そのレポートが少なくなっているのを確認出来た。それはもちろん体力的な衰えや、山スキー行そのものに対する考え方が変わって来たせいもあるかもしれない、、、しかしここ数年、積雪量がどんどん少なくなって来ているのを肌で感じているのも事実である。 2010年12月19日、天気模様を見ながら結局は中山峠の蓬莱山に向かった。峠に位置するだけあって標高は900mを超える 、それだけに気象条件は厳しく、そしてそれ故に厳しくも美しい雪模様を体験することが出来る山である。 蓬莱山には過去に何度も登っている。一番美しかったのは2002年1月5日のレポート(写真等をリメイクしました)に記録しているが〜青空と白い雪のコントラストであった。それ以来何度も訪れてはいるが、いまだにその時の美しさには届かない。 中山峠の駐車場で装備を整え、小雪の舞う中で少し待機した。「少し明るくなって来たんじゃない?」「そう、、、かもね、、」答える言葉 も歯切れ悪い。中山峠写真の森美術館の奥、坂を登りきったところに駐車スペースがある。既に準備を終えたワカンの人達のグループと単独の山スキーヤーが先行して行った。風は無いものの小雪が降り視界は悪い。「これじゃあ遠望は無理ね」「まあ、今日はシーズン始めの足慣らしと言うことで〜行ってみようか」 午前9時15分、私達は蓬莱山に向かって出発した。 積雪量はこの時期としては幾分少ないながらも、草木がうるさいほどでも無い。ゲートを過ぎて間もなく、先行するトレースは二手に分かれていた。ひとつは作業道に沿ってそのまま進んでいる。そしてもうひとつは林間ルートに向かっていた、私達は迷うことなく後者のトレースの後を追った。 |
林の中に入ると凍てついた木々に包みこまれる。「綺麗よ〜〜」おばさんはそう言いながら進んで行く。先行トレースがあるからラッセルは全く気にならない。この先行トレースがあるか無いかによって時間的にも体力消費の面でも大きく影響するのが冬の山行である。もちろん先行トレースが無くて真っ白い雪面に自分達のトレースを刻んで進むのも大きな魅力ではあるのだが・・・ 林の中ではそんな自分達なりのルートを見つけながら進むことになる。自由気ままに美しさを狙って進むことが出来る反面、しっかりと方向を見極めながら進んで行かないと迷う危険も大である。地図やコンパス、GPS等を駆使して現在地を確認しながら確実に目的地に向かわなければならない。冬山ではちょっとしたミスでも大きな事故につながりかねない。 |
最初は作業道に立つ電柱を見ながらほぼ平行して進んでいた先行トレースも、やがて947m標高点に向かって進んでいた。一段と奥深い林間ルートを感じながら上空を見上げる。風は無いのだが時々うっすらと感じる日差しはすぐに消え去ってしまう。「今日はきっとこんな感じなんだね〜」「ちょっと明るくなって来たんじゃない?気のせいかしら〜」 「あっちへ向かおうか」私はおばさんに先行トレースを外れて進むよう促した。気温はさほど低くは無いものの雪質は良かった。サラサラの雪の軽いラッセルは心地良い。「休憩しようか〜」別に疲れていたわけでも無かったが、気分的にはあまり急ぎたくも無かった。天気が良かったら奥の幌滝山(中山)まで行こうと思っていたのだが、これ以上の天候の回復を望めそうにもなかった。今回は蓬莱山で戻ることにした、時間はたっぷりあった。「あのモンスターなんかまずまずかな・・・」カメラを向ける。 |
山頂手前の大きな岩塊を巻いて進んで行く、さすがに雪が深くなってきた。「交代しよう〜」そう言って私がラッセルを始めた。「シーズン始めのラッセルだな〜」別に感慨深いわけでは無いが、何となくそう言い聞かせながら登って行く。 10時40分、アンテナの立つ蓬莱山に立った。数名のグループの方々がくつろいでいた、皆さんワカンやスノーシューである。山スキーの人もいたが、帰路も登って来るスノーシューの人達とすれ違った。愛好者が増えているようである。 山頂滞在は15分程度、帰路は作業道を滑り降りた。 |
アンテナ群の立つ山頂 |
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コースタイム(含休憩時間) 駐車地点 09:15 山頂 10:40 - 10:55 駐車地点地点 11:10 |
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