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「今週こそっ」そんな気持ちだった。毎週末続いていたぐずついた天気にすっかり山へ向かう気持ち、、、いや、意欲が薄れてきていた。それでも北海道の山の短い夏が迫って来ると〜居ても立ってもいられない。一週間の始まりから天気予報に注目の日々が続いていた。そしてついに「今週こそっ」の日が来たのである。
前夜は大雪ダムの駐車場で車中泊、さすがに夏山シーズンの本番を迎え、ここを基地にして山へ向かう人は多い。駐車場は多くの車や懇親を深める人達で賑わっていた。そんな中の5名が、今回お誘いいただいたyamazさん、そしてakamさん、koyaさん、私達といつものメンバーだった。

2009年6月28日早朝、私達は高原温泉駐車場に着いた。今回はこの時期ならではの三笠新道から高根ケ原に登り、白雲岳避難小屋から板垣新道へ、緑岳を経て高原温泉に戻るコースである。三笠新道はヒグマの保護観察地域を通るため、ヒグマの活動が活発になると通行止めになってしまう。夏山シーズンのほとんどは通行止めだ。
ヒグマ情報センターの受付でコースのレクチャーを受ける。ヒグマの情報やコースの状態、注意事項を聞いて午前7時受付開始と同時にスタートである。本来沼めぐりコースは左回りだが、今は歩く人が少ないし〜三笠新道へ行くのならと右回りの許可を得た。ただ途中の渡渉地点は靴を濡らさずには渡れないらしい。

情報センター
ヒグマ情報センター

情報掲示板
ヒグマ情報板を見る

沼めぐりコースに入るとすぐにミズバショウの群落があらわれる、ヒグマはこのミズバショウを食べに来ることもあるらしい。熊鈴を鳴らしながら、、、ヤンペタップ沢にかかる橋を渡って行く、、、日差しが新緑に照りつけてまばゆいばかりの輝きである。この橋を渡って少し進んで右回りコースに入って行く。

ところどころ残雪でコースが不明瞭になっている地点では、テープがぶら下がっていて導かれる。足元にはジンヨウキスミレ、キバナノコマノツメやミツバオウレン、ショウジョウバカマが咲く。深い森の輝く新緑の中に、沢水が白いしぶきをあげながら勢い良く流れて行く。何カ所かの渡渉地点はやはり靴を濡らさずには渡れない、慎重にクリア!!
沢の水音が一段と大きくなって周囲に響き渡る〜一面に咲くエゾノリュウキンカの脇を抜けるように〜白く輝きながら〜落差のある斜面を流れ落ちて行く、、、美しかった・・・ザックを下ろし大休止!「素晴らしいですねぇ」ミネラル飲料を飲みほしながら歓声をあげた。

橋

新緑と沢水

渡渉

おみごと

リュウキンカ
エゾノリュウキンカが一面に咲く

やがて登山道はフキノトウの群落?に見送られるようにして〜沢から離れて行く。一気に静けさに包まれる、、、そしていよいよ高根ケ原直下の大雪渓が目に飛びこんで来た。「おぉ〜〜〜」私は声にはならない歓声をあげながらシャッターを押した。赤いテープに導かれるように残雪を踏みしめて行く。

本当に毎週末待った甲斐があった、この天気、この青空、この大雪渓、、、さらに進んで秋には水が枯れてしまうという空沼の渕を、私達は心地よく歩いて行く。沼めぐりコース〜この時期ならではの光景を満喫しながら!!!

大雪渓が目に

空沼へ
大雪渓と空沼を見ながら

空沼
空沼
空沼

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