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「ちょっと休憩しようか」、歩き始めてから約50分経過していた。ちょうど450m台地への登りにかかる手前であった。「ここからいよいよ登りだね」そう言いながらミネラル飲料を飲みほす。「ここを登り切ると確か反射板があったと思ったんだけど・・・」昔?の記憶を懸命に思い出そうとしたが、、、なかなかその記憶は定まらない。「まぁ〜〜いっか」そう呟きながらザックを背負った。

450m台地への急斜面を登山道は大きくジグザグを切りながら進んで行く。「やっと山らしい登りだね」私は少し喘ぎながら言った。「まあ、そんなに長くは無い筈だから・・・」俯き加減に登って行く。登り切ると視界が開けて広い笹の刈り分け道の向こうに反射板が見えて来る。ほぼ南に向かって進む登山道は秋の日差しで常に逆光であった。「こりゃあ厳しいなぁ」私はファインダーを覗きながら言った。反射板の下に立っても展望は笹に遮られて特に目立つものは無い。休むこともなく前方に見えている山頂部に向かって歩を進めることになる。

登り
450m台地への登り

反射板
反射板が見えてくる

山頂部を見ながら
山頂部を見ながら

後ろに人の気配を感じて振り向いた。小学生くらいだろうか、一人の男の子がすぐ後ろに迫っていた。「こんにちは〜」元気のある声をかけられた。「一人で登って来たのかい?」「いえ、僕が先に登って来たんです」その子はハッキリとした口調で答えた。スルリと私達の脇を通り抜けて、勢い良く進んで行く。「すごいなぁ〜〜〜」「速いわねぇ」私達は驚きの、、、いや羨望のまなざしを投げかけた。

山頂付近の岩塊がぐんぐんと近づいて来る。その右奥には山頂の南西部、祠のある岩場が見えている。人の声が聞こえてきた、先行していたグループに山頂直下のちょっとした登りで追いついた。

山頂部への登り1
山頂へ向かって

登り2
    
登り3
山頂直下の登り

10時25分、塩谷丸山の山頂に立った、JR塩谷丸山駅から1時間45分だった。「こんな標識は無かったよね」日本海を見下ろす山頂に629mと書かれた標識があった。休まずにそのまま南へ進み祠のある岩場へ立った。錆びた鉄製の錨は以前のままだったと記憶を紐解く。

山頂1

山頂2
山頂奥の祠と鉄の錨

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