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毎年冬山(山スキー)シーズンのスタートは、中山峠の蓬莱山周辺か、札幌国際スキー場方面へ向かう途中の上平沢林道を辿る迷沢山と決めていた。蓬莱山周辺は積雪も早いし、天気が良ければ中山まで足を伸ばすとスキーで歩くトレーニングになる。迷沢山の上平沢ルートは林道を行くので雪がある程度積もっていれば、そこそこ歩く、登る、滑るトレーニングにもなる。どちらもシーズン当初としては山スキーの感覚を取り戻すのに、私達にとってはピッタリのロケーションだった。

2007年11月、今年の積雪は早かった。「中山峠も国際もオープンよっ」おばさんの声は弾んでいた。この調子なら今月中にスタート出来るかもしれない。天気予報を見ながら日曜日に迷沢山に向かうことにした。そんな折、、、突然悲惨なニュースが飛び込んで来た〜〜〜上ホロカメットク山の大規模な雪崩事故である。その犠牲者の中に言葉を交わしたことがある方がいらっしゃった。「そんな筈が・・・」その方を知っている人なら誰しもそう思ったに違いない。

「止めようか・・・」ちょっと山に向かう意欲が薄れてきそうだった。2007年11月25日結局私達は上平沢林道の入口に立っていた。車が一台止まっていた、スノーシューのトレースが続いている、スキーのトレースは前日のものだろうか。午前8時40分、言葉少なに林道を進み始めた。まだまだ周囲の雪は少ないものの、林道自体にはそれなりに積もっていて、スキーでも全く問題は無かった。
前方に広がる青空に展望を期待しながら進んで行く、、、何回も見慣れた大きな木を見て「ほら、一足早いクリスマスツリーよ」今年もおばさんはそう叫ぶ。淡々と続く林道歩き、、、ところどころ石ころが転がっていたりする、帰路の安全のために目印をつけたり雪の中から掘り起こして撤去したり。いくらなだらかな林道とは言え、滑り降りて来るのだから石ころに躓いたりしたら何が起こるかわからない。絶対の安全など無いのだから・・・とにかく「冬山には極力臆病であれ」と自分に言い聞かせる。今回の雪崩事故で亡くなられた方々のご冥福を祈りつつ、そんな警鐘を聞く思いだった、そうしなければいけないと思った。

約1時間45分で前方に送電線を見た。

スタート
スタートは青空

いつものツリー
いつものツリーが

送電線
やがて送電線が

送電線の手前から大きくカーブして行く。やがて鉄塔に沿って広がる背景を背に登って行く、天気が良ければとても気持ちの良いところだ。が、、、この日はスタート時には青空だったものの、速い雲の流れはあっと言う間に上空を覆い隠し、、、曇り時々晴れ的な?天気になっていた。札幌国際スキー場は見えるものの連なる山容は雲に隠れていた。「まあ、今日はね、足慣らし、トレーニングだからね、、、以前展望はゲットしているし」私達は言い訳をする、その言葉の裏には「あんなに晴れていたのに・・・」

うっすらとね
彼方に札幌国際スキー場が見える

うっすらと上品に・・・
天気が良ければ一番気持ちの良い登りとなるところ

こっちもうっすらだよっ
定山渓天狗岳、ヒクタ峰〜〜〜うっすらと・・・

段々高度が上がって来るのを感じながら、さかんに周囲を見回した、、、視線の先は木々の間から見え隠れする山々を追っていたのだ。速い雲の流れはあっと言う間に日差しを運んで来るし、またその逆もある。そんな瞬間を見逃さないように・・・細心の注意をはらいながら、、、久々の山スキーの感触を確かめながら進んで行く。

やがて真っ直ぐに伸びる林道を進むようになると、目指すピークは近い。前方からスノーシューを履いた二人連れの方が下りてきた。「こんにちは〜〜〜ラッセルどうもありがとうございました」、すれ違いざまにお礼を言う。日差しが時々林道を照らしながら駆け抜ける。その度に輝き、、、そしてモノトーンへと変化する・・・・まだ木々にぶら下がっている赤い実を覆う白い雪がこの時期ならではの風情を感じさせていた。

段々高度がね

ここはまっすぐ
ここまで来ると山頂は近い

日差しを受けると
日差しを受けて

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