さて13時「さあ、そろそろおりましょうか」というリーダの声に我に返ったメンバーはそそくさと下山を開始したのでした。
リュックデポ地点13時30分、そこで身支度を整え13時45分、いよいよ二の沢へ向かったのです。
最初に現れたながーーい雪渓、
これはこれはと美味しそうに喜ぶおっさんとおばさん、ぐんぐんと降りていくと、
上から「キャーーー、ヤッホーー」という叫び声が。そうです、ganさんとtsurubさんが尻滑りなんです。
それはもう、まるで少年に戻ったように。
それまでは常にまわりに気配りでいそがしかったリーダのganさんも本当に楽しそうでした。
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雪渓を抜けるといよいよ沢水が、でもまだそれほどの水量はありません。
ゆっくり下りていくと、滑りそうな石がありました。「この石滑るよ」、おっさんは「了解!」などと言いながら石に足をかけた途端、
ズルーリ、まあそこは運動神経抜群なおっさんのこと、サッとたちあがり事なきをえたのです。ほっ!!
ここでganさんから渓流シューズに履き替えるよう指示がありました。
ここから尾根を乗っ越し、又曲がり沢へ戻るためです。
靴を履き替えながら顔を沢水で洗ったり、頭に沢水をかけたり、Yoshioさんは真っ赤なトマトにかぶりつき、
さあいよいよ尾根を乗っ越しです。
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さすがに、このあたりまで来ると疲れもそうとうたまってきた。それと同時に足元にも安定感がなくなってくる。
いっきに尾根へ登ったが、そこから曲がり沢までの下りは淡々と非常に長くかんじられた。やっとの思いで二股へ、「ああーーさっきはここから左側へいったんだなあ」などと感慨深く見ているまもなく、さらにどんどん曲がり沢を下って行く。
腕に力が入らなくなる、ヘルメットからは汗がしたたり落ち、そしてだんだんと無口になり、ひたすら下る、ひたすら下る。
沢の水音だけがあたりを包むなか無言の下山。「つらい、苦しい」高度計とのにらめっこが始まる。あと200m、あと100m、あと50mくらいかと思ったとき、先頭グループから「ツイタゾーーー」という声、ああ、やっとの思いで取水口ダムへ到着16時40分であった。
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さて、ここからは、おっさんは一足さきに曲がり沢出合まで下りました。
なぜって??ええ、そうなんです。「ゲリラ部隊の投降シーーン」じゃなくて、全員が歓喜の雄たけびをあげながら下りてくるシーンを撮影するためです。
おっさんはとにかく早く降りたい一心で、それはもう走るように出合へすべりこみました。そこで静かに、ゆったりと今日の山行を振り返っていたのです。
そうこうするうちに、メンバーの話し声が聞こえてきました。ここまで来るともう声もはずんでいます。そしていよいよ「ばんざーーーい」の大合唱があたりにこだましたのでした。握手する人達、「やったーーーやったーーー」と叫ぶ人達。
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チロロ岳本峰を背景に西峰にて
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ああ、いよいよこの山行物語も結末を迎えようとしています。
4カ月も前から、プレ遡行や指導会(懇親会の誤りでは?)を通じて気持ちを盛り上げてくれたリーダのganさん、蝦蟇沢とチロロに向けて素敵なポスターを作っていただいたyoshioさん、花のことならおまかせモードのyamas夫人、カメラ持たなきゃ静かなだんなyamasご主人、いつも回りを笑いのルツボにしたYonnaさん、いつも冷静沈着,淡々と登るkumaさん、後半ちょっとバテバテも頑張り家さんのotsukさん、山頂ではすぐにお昼寝モードのtsurubさん、さすが今日は疲れたモードのおばさん、取材カメラ片手で苦しい山行のおっさん。
みなさん、またきっとどこかでお会いしましょう。その時にはきっと又、チロロ岳の思い出話しで盛りあがることでしょう。
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