アップダウンを繰り返しながら・・・

このコースは尾根上の4つのポコを、登っては少し下り、また登っては下り・・・そんな繰り返しで高度を上げて行く。それほどキツイ登りも無さそうだが、焦って登ると「まだか〜〜〜、また下りか〜〜〜まだ登るのか〜」と言うパターンになってしまうかもしれない。そんなアップダウンの続くコースである。

最初は455.2mのポコを目指してジグザグと登って行く。鳥のドラミングが響き渡り、、、ホーーーホケキョ!!「あっ、ウグイスの声よっ、聞こえた?」おばさんはうれしそうに叫ぶ。今年初めての「春の声」だった。「このフクジュソウ見て、スゴイわよっ、、、あっ、これ、このザゼンソウはとっても可愛い」おばさんの花巡りが始まる。私はカメラを構えながらシャッターを押す。

尾根上の木々の間からは白い山並みがチラホラと見え出した。「ほらっ、見えてるぞっ!!!だけど木の枝が・・・」「こっちからなら見えるよっ」私はしゃがみこみながらファインダーを覗く、イドンナップ岳が一際美しい。

登るよ

イドンナップ
イドンナップ岳


標高約600mの手前から登山道は残雪に覆われだした。ズボッと埋まる、、、ワッセと足を持ち上げて登って行く。尾根上の登山道ではあるが、すぐ横に作業道跡らしきものが多くあり、段々とハッキリしなくなって来る。なるべく尾根に忠実に進みながらも、残雪の状況などを見ながらポコを巻いて登って行ったりもする。登山口から既に1時間半経とうとしていた。「先頭変わるよ」おばさんは私の言葉に時々頷く、しかしまたすぐに先頭に立つ。結構ハードな山行になってきた。

最近人の入った様子は無い、あるのは鹿の足跡だけである。それも相当大きい鹿だ!「ワッ!!!」おばさんが叫ぶ、エゾシカが走って行く。

698mポコを過ぎると前方には一段と高さを感じる757mポコが見えてきた。これまで何度も繰り返して来たように一旦少し下る。これが本当にもったいない気分になる。ふっとひと息つきながらうらめしそうにポコを見上げる。

残雪を踏みしめ

757mポコ
前方に757mポコ

757mポコに向かって登り始めた。一段と傾斜が増してきて俯き加減に登って行く、ズボッ!!!足一本が完璧に埋まってしまう、、、雪面に腰掛けるようにして足を抜き、そっと立ちあがって次の一歩を踏み出す。始めは少し柔らかく、そして埋まらないとわかった時点で体重を乗せる。結構タイミングが難しい〜〜〜けど段々と面倒になり、ドシドシと進んではまたズボッと埋まる・・・

やっと登りきって前方を見ると、ちょっと遠く感じながらも山頂方面見えてきた。「今度こそじゃないか〜〜」そんな私の声を無視しながらおばさんは進む。

埋まるのだ
ズボッと埋まりながら

山頂が近づく
やっと山頂方面が見えてきて

木々の間からは尖った山容が見え隠れしていた。「あれは、、、カムエクじゃないか〜〜〜」「あっ、こっちから見えてるよっ」何度も何度も同じ言葉が繰り返される。自然と足並みも速くなってきた。この先にはどんな光景が待っているのか、、、山に登っていて一番ワクワクする瞬間である。

木々の間から・・・
木々の間からは・・・

さあ、もう少し

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