急峻な尾根を見ながら、細い稜線を下る

上空には青空も見えていた。しかし楽古岳から続く山々は雲に覆われていた。札楽古川コース方面は雲が途切れて輝いて見えていた。山頂手前のピークに登って来る人影が見えていた。山頂から南へ伸びる稜線を境目に雲が流れている。残念ながら十勝岳方面は見えない・・・

「まあ、ゆっくりとしようよ」私達は腰を下ろして早めの昼食にした。パンを食べコーヒーを飲み、冷やしてきたフルーツを食べる。6年前には案内していただく形でのグループ登山、その山を今、二人の力だけで登った充実感を感じながら・・・

眼下には
札楽古川コース方面の展望

南側へ伸びる稜線
山頂から南へ伸びる稜線

札楽古川コースから登ってきた人達が到着した。「いやぁ〜〜〜凄い藪漕ぎでしたよ、、、迷いそうでした。林道も荒れていて2kmくらい歩いたし〜」、登る人も少ないのか相当登山道は荒れているようだ。

山頂付近のお花畑を覗いてみた。もう輝きを失っているエゾオヤマノリンドウ、やっと綺麗なミヤマリンドウを探してカメラを向ける。オオイワツメクサはちょっとアップで、、、「きっと花のシーズンは綺麗なんだろうね」「今度は春に来てみる?」・・・「いやいや、まあしばらくは・・・」

ミヤマくん
ミヤマリンドウ

ツメクサくん
オオイワツメクサ

眼下の雲がスーーっと途切れてきた。「おおおっ、来るんじゃないか」その度に叫ぶ、、、十勝岳へと続く稜線が見えて来た。「もう少しだぞっ、頑張れ」、いったい何を応援しているのかわからないが自然とそんな言葉が出てきた。
山頂で待つこと1時間10分、、、「これまでかなぁ・・・」「山頂まで登れたし、これだけ見えたんだから」、、、「そうだね、6年前には見ているんだし〜贅沢は言えないよね」私達はちょっと後ろ髪をひかれながら下山を開始した。

十勝岳へと続く稜線
十勝岳へと続く稜線

降ります、、、下りるよっ!

下りながら山頂を振返った、くっきりと楽古岳の山頂部が見えていた。「これだよねぇ〜〜〜」私達は満足しながら見つめていた。「まあ欲を言えば背景に青空が欲しいんだけどね」。ガスに包まれていた時には何とか見えればと思っていたのに、実際に見えると今度は青空まで欲してしまう、人間の欲望とは限りないものである。

振り返ると(そらっ来た、、、筋だよ)

楽古岳
ついに楽古岳の山頂部を見た

眼下には日高の急峻な尾根が広がる、そんな光景を目にしながら細い稜線を下って行く。9合目の下で登って来る人達とすれ違った。「あのぅ〜〜〜hasegさんじゃないですか、以前大千軒岳を一緒に登ったkojiです」

「あっ、あの時の〜〜〜どうもお久しぶりでした」、「入山届けを見て途中で会えるかなと思いましたよ」「そうですかぁ〜〜〜これから天気が回復して来そうですし、見えるかもしれませんよっ」、5年ぶりの出会いにそんな言葉を交わして別れた。

急斜面をどんどんと下って行く、、、足がもつれそうになる・・・「大丈夫?」おばさんが下から声をかけた。「大丈夫さ、ちょっと躓いただけだよっ」口篭もりそうになりながら答えた。

山頂から1時間50分、登山道入口に立ちほっとしてザックを下ろした。少し休んでから山荘に向かう、、、14時45分登山口に到着!山荘に人影は無かった。

眼下に広がる展望
眼下に広がる急峻な尾根を見ながら、細い稜線を下る

コースタイム(含休憩時間)

登山口 07:20  登山道入口(510m) 08:00-08:15  5合目(950m) 09:25  9合目(1350m) 10:30  山頂 10:50-12:00  5合目 13:00  登山道入口 13:50-14:05  登山口 14:45

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