おばさんは淡々と登って行く。上空には抜けるような青空が広がっていた。しかしその向こうも青空とは限らない、周囲の遠望からするとクッキリの可能性はきわめて低いだろうと考えざるえない状況だった。山頂が近づくにつれてチラホラと雲が流れだした。綺麗に整備された刈分け路を一気に登って山頂に立った、10時45分。 |
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ゲート前をスタートしてから2時間50分、長い林道歩きとは言うものの十分耐えられる時間と思われる。山頂では先行していた二人連れの方が休んでいた。一言あいさつを交わして、いよいよ一気に広がった視界を確認する、いやもう山頂に立った時点でしっかりと見てはいたのだが・・・ そこには想像通りの、、、霞んだ、、、雲に包まれた山々が広がっていた。微かに確認出来たのは中ノ岳からニシュオマナイ岳か・・・神威岳やペテガリ岳、もちろんカムエクや1839峰等はその姿を隠していたのだった。「う〜〜〜ん、、、これかよぅ〜〜〜」「残念ねぇ〜〜〜」あきらめきれずに何度も座っては立ち上がり遠くを見つめる。 「それじゃぁ、お先に・・・」「お気をつけて・・・」先行していた二人が下りて行った。「もう少し待ってみようよ、せっかくここまで来たんだから。コーヒーを飲み、パンを食べながら再び立ち上がる。「ん??ちょっと見えて来たんじゃない?」「そうだね、もう少しだよっ」そんな繰り返しが続いた。結局山頂で1時間、、、「これまでだっ!あきらめよう〜」そう決断して下山を開始した、11時45分。 |
霞む遠望は・・・ |
下山開始、、、彼方には昨年登ったペラリ山が見えていた |
あっと言う間に登山口まで下りて、あとは静かな林道歩き。もちろんもう誰も登って来る人はいない、二人だけの林道歩きは意外と楽しいものだ。大声を出そうが歌を唄おうが、座りこもうが、、、自由自在である。「もう来ないかもしれないから・・・」山頂でそう言っていた私達だったのだが、林道を歩いているうちに「これなら又来ても良いかもね、何たってクッキリとした展望が確認出来ていないんだから・・・」 周囲の紅葉はもう終わりを迎えようとしていた。湖の対岸のカラマツ林や湖岸の木々の紅葉が、午後の陽射しを受けながら最後の輝きを見せていた。静かな林道歩きは続いた。午後2時ちょうど、出発地点のゲート前に到着した。 |
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コースタイム(含休憩時間) 静内湖キャンプ場 07:55 旧駐車場 09:15-09:25 登山口 09:30 2合目(展望台)09:45 6合目(864m) 10:18 山頂 10:45-11:45 6合目 12:08 2合目 12:28 登山口 12:38 静内湖キャンプ場 14:00 |
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