コル近くまで下りた時に視界が開けた、稜線分岐から下りてきた斜面が前方に大きく立ちはだかる。このまま分岐まで戻るとするとこの登り返しが結構きつそうである。今回はコルから三ノ沢へ下ることにしていた、yamazさんがどんどんと下って行く、10時55分。 この時期の沢は、葉がすっかり落ちていて深い薮こぎと言った感は無い、木々の枝を払いのける程度である。しかもうっすらと積もった雪がとても歩きやすかった。この沢を下りるにはベストの状況だったのかもしれない。木々が茂る夏道ならきっと大変であろう。 「ほらほら・・・」と叫ぶ、時々ピリベツ岳の山頂方面が日差しを受けて白く輝く、きっとあの凍てついた木々であろう。カメラを取り出すが木々の枝に遮られてなかなか良い撮影ポイントが見つからない。そのうちまた日差しは雲に閉ざされてしまう。そんな繰り返しが続いた。 |
コル付近から見上げた分岐への登り返し斜面は高い |
コルから三ノ沢を下る |
藪こぎもこの時期になると歩き易い |
いつしか私達は作業道跡を歩いていた。もう薮こぎは無い、ただ時々不鮮明になる道に注意しながら進んで行くことになる。広場に出る、川を飛び石伝いに渡って少し進むと土場跡に出た、コルから約1時間弱だった。「あと30分くらいかな」もう休むことは無かった、のんびりと登山口に向かって行く〜〜〜「お疲れさまでした〜」12時20分登山口に到着。 |
作業道跡を下る |
広場に出ると土場跡は近い |
で、普段ならここでレポートを終えるところだったのだが、、、車に向かっていると「あっ、、、ほらほらあそこ」おばさんが叫んだ。なんとクマゲラである、しかも二羽だ、しかも羽ばたいてまるで仲良く戯れているようだ〜「ホラホラ〜〜〜」「しぃ〜〜〜、静かに」私はカメラを取り出した、ズームレバーをいっぱいに引く。とにかく一枚シャッターを、、、そしてもう一枚!その時クマゲラは飛び去った、yamazさんは間に合わなかった。 「それじゃあ、また」yamazさんたちと別れて林道を下った。「あっ、ほらあそこに〜〜〜」おばさんがまた叫んだ。静かに車を止める、カメラを取り出して車の窓を開ける・・・二羽のクマゲラが木にとまっていた。シャッターを押しながら後ろを振り向いた、yamazさんも私達に気がついて車を止めた。私はそっとドアを開けてyamazさんに合図した。大きい鳥だった、過去に2度ほど出会ったことはあったが、こんなにハッキリと見たのは初めてであった。しかもそれが♂二羽であり、カメラにもしっかりとおさまってくれたのだから。 |
クマゲラ |
私達はすっかり満足して国道を走っていた。「良かったよねぇ」「うん、なにか今日の山は得した感じだよね。初めての山のピークを踏めたし、雪山も楽しめたし、沢に下って〜〜〜そしてクマゲラだもんね」 十勝三股を通るころには、通称「オッパイ山」ピリベツ岳と西クマネシリ岳が見えていた。車をとめてシャッターを押した、、、「う〜〜ん、来年もう一度!」 |
ピリベツ岳(左)と西クマネシリ岳 十勝三股にて |
コースタイム(含休憩時間) 登山口 07:10 土場跡 07:40 歩道入口 08:15 稜線分岐 09:00 コル 09:15 ピリベツ岳 10:05 ピリベツ岳 10:25 コル 10:55 土場跡 11:50 登山口 12:20 |
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