広がる展望に目を奪われながら・・・長い長い帰路へ〜〜

風がほとんど無い山頂で軽食をとりながらジッと見つめていた。雲が徐々に途切れてきてついにはトムラウシ山が顔を出した。「ほら、あの稜線が去年歩いたところだよっ、、、そしてトムラウシ山まで行ったんだからね〜〜〜凄いよね」等と自分達の足を褒め称える。

「そう言えばあの時に化雲岳で会った人は、その日のうちに美瑛富士避難小屋まで行くって言ってたっけ、、、超人だよね〜〜〜」、、、「ここからトムラウシ山まで縦走する人達も凄いよなぁ〜〜〜そうそう、MIURAさんたちは歩いたんだよね」オプタテシケ山から見えるトムラウシ山は果てしなく遠く見えていた。

トムラだよっ!
山頂からトムラウシ山を見る

12時ちょうど、私達は下山を開始した。ちょっと名残惜しかったけれど、時間的な余裕を考えるともう限度なのかもしれないと思ったからだ。西峰の斜面の彼方にはニペソツ山、西クマネシリ岳などが見えている。被写体としてはちょっと遠いのだがズームで撮影してみた。

さ、下りよう〜

ニペ!
右にニペソツ山、左奥に西クマネシリ岳とピリベツ岳

ベベツ岳への苦しい登りが始まる、疲れた体に鞭打つように登って行く。やっと登りきると爽やかな風が吹いていた。あたりにはトンボの大群である、、、風に流されるように飛んで行く、、、私達はそんなトンボの群れの中を泳ぐようにして歩いて行く、、、楽しい〜〜〜

ベベツ岳で休憩する。青空と真っ白な雲の下にオプタテシケ山が在った。「良いわねぇ〜〜〜本当に今日は最高よねぇ〜〜〜」「うん、ほんとこのまましばらくじっとしていたいくらいだよっ」・・・シャッターを押す。

「行こうか・・・」石垣山に向かって歩き出す、美瑛岳〜境山〜下ホロカメットク山の逆光のシルエットが美しい!

おおおっ、オプタテ〜
ベベツ岳からオプタテシケ山を見る(トンボが飛んでいるのが見えますか?)

石垣山へ〜〜〜
前方に石垣山、奥に美瑛岳、左後方が境山と下ホロカメットク山(ベベツ岳と石垣山のコル付近にて)

石垣山の岩れき斜面を下り、標識に誘われるようにキャンプ指定地へと続く踏み跡に向かう。緑の草原がことさら美しく、一張の青いテントと避難小屋が優しくむかえてくれる感覚に包まれた。

避難小屋へ向かう!
美瑛富士避難小屋へ向かう

しかし、ここからが大変長かったのである。特に天然庭園から登山口まで、視界の無い登山道を黙々と進んで行くのだ。疲れはもうピークに達している、、、「まだだよなぁ〜〜〜」「あとどのくらいかしら・・・」虚しい言葉が続く。と、おばさんが突然「ツルリンドウの花が咲いているのは無いかしら」と探し出した。こんな時に別に探さなくても、、、と思うのだが、まあ探したいと言うのから探せば〜〜〜

「あっ、ダメねぇ〜〜〜咲いてない、、、あっ、惜しいな」、、、そして遂に「これっ、咲いてるよっ、写して!」。やれやれと近づくと、それは風で少し揺れていてしかもあたりが暗いのだ。手ブレ警告マークが点滅している。「くっそぅ〜〜〜こんな時に」私は腰を下ろしてシャッターを押した。液晶で確認してみる「ダメだっ、、、もう一枚」汗を拭きながら再びシャッターを、、、そんな繰り返しが続いた、、、あぁ〜〜〜

「まだかなぁ〜〜〜」「もうそろそろよね」、、、「もう少し先かなぁ」、、、長い長い登山口への道程が続いた。16時20分、クタクタになりながら登山口へ辿りついたのである。実に10時間15分の山行であった、、、日没が早くなってきている事からすると、片道約9km強のこのコース、日帰りはもう限界なのかもしれない。

何故かツルリンドウ?
ツルリンドウ

コースタイム(含休憩時間)
登山口 06:05  美瑛富士避難小屋 08:50-09:05  ベベツ岳 10:05  オプタテシケ山 11:20-12:00  ベベツ岳 12:50-13:05  美瑛富士避難小屋 13:50-14:05  登山口 16:20


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