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山頂が段々と近づいてきた。今日の私達はゆったりペースだった、決して急ぎはしない、残り少ない北海道の夏山シーズンをかみしめるように、一歩一歩大事に登っていった。山頂に立つ人影が時々目に飛び込んで来る。山頂直下からは岩場だが特に問題は無い。一気に登りきる〜山頂に飛び出した、11時10分。徳舜瞥山から登って来た人たちが大勢〜団体の方々はちょうど下山開始、私達と入れ違いの形となった。

山頂直下
山頂へひと登り

ホロホロ

さすがに風は強い、しかしそこには予想通り360度〜広がる大展望が待っていた。オロフレ山や来馬岳、遠く有珠山〜そしてやはりすぐ目の前の徳舜瞥山を見る。天を突くように鋭く聳える〜何度見ても美しい山容である。少し霞んではいるものの尻別岳や羊蹄山も見える。

オロフレ、来馬方面
オロフレ山、来馬岳方面

徳舜瞥山
徳舜瞥山、後方右に羊蹄山が見えている

徳舜瞥山のピークをズームすると、奥には昆布岳の尖った姿を見る。もちろん無意根山や余市岳などの札幌近郊の山々、そしてなんと言っても〜支笏湖周辺の山々が美しい。手前に紅葉に彩られた山肌を配して、ブルーの支笏湖、恵庭岳や紋別岳、風不死岳と樽前山が〜青空に溶け込み、白い雲が程よく浮かぶ。私はファインダーに映し出された光景に酔いしれていた。

昆布岳
徳舜瞥山をズームすると右後方に昆布岳

支笏湖方面
支笏湖方面の展望が美しい(恵庭岳、樽前山、風不死岳)

「あれっ、、、○○さんじゃない?」おばさんの叫び声に振り返った。「えっ、誰?」「としさんよ」思いがけない出会いだった。まさか帯広のとしさんがこの山に登って来るとは思ってもいなかった。忙しい中、休みを取れたので昨日はニセコそして今日はここを・・・「日勝峠は大丈夫かなぁ〜」「そうですね、ちょっと心配なんですけど〜」「まあ、日中なら大丈夫だろうから〜早目に帰ればね」、、、「ほら、あそこに定山渓天狗岳が見えているよっ」「来年は△△山縦走をやろうね」「何とか休みが合えば良いですね」

「それじゃ、お先に・・・」山での出会いは結構あっさりとしている、私達はとしさんに別れを告げて一足先に下山を開始した。

下山開始

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