突然ガスがぁぁ〜〜

七合目を過ぎてしばらく進むと、やがてハイマツが現れ、展望もきいてきて、湿原が遥か下に見えるのです。
さらに登り続けると小さな雪渓が登場し、目の前には山頂方面が見え始め、暑寒別岳が右側に位置し、「これはこれは、今日は薄曇だけど、結構な展望が楽しめるんじゃないの!!」とおっさんはニヤニヤしながらつぶやいたのです。

果たしてそううまく行くんでしょうか。

雪渓を登る
雪渓を登る

山頂間近それは山頂手前の小ピークを登っているときに始まりました。

右側に見えていた、い、た、
暑寒別岳に忽然と白いガスが流れ込み、それがあっという間に広がり

「こ、こ、こりゃあなんてこったあぁ〜〜」
小ピークへ登ると、そこはもうガスに包まれた白い世界に変わっていたのですぅぅぅ〜〜「そりゃあないだろ、そりゃあないよ、さっきまで見えてたじゃない、そりゃあずるいよ、けちーーーいぃ〜」おっさんはありたけの貧弱な言葉で叫んだのでした。10時10分山頂到着です。

記念写真は真っ暗ケ〜〜、ふてくされて、おにぎりをほおばり、ラーメンを流し込み、近くにいる人達と「しょうがないですね〜〜、暑寒別岳はこっちに、群別岳はあっちに見えるんでしょうね」などと、完全にあきらめて2個目のおにぎりを食べようとしたときでした。


ガスの切れ目から山並みがおっさんの目になにか山模様がちらっと写ったのです。
気のせいか上空が少し明るくなったような気がした時でした。

それはそれは一瞬の出来事でした。白いガスはあっという間に吹き飛びいぃぃ〜〜ガスの切れ目からはあっという間に山模様があらわれ、

それは暑寒別岳であり、
あのあの鋭鋒「群別岳」と「尾白利加岳」であり、

独特な形の「黄金山」でありいぃぃ〜〜〜、

さらにさらに天候はどんどんと回復し、「浜益岳」方面と日本海、「ピンネシリ」「神居尻山」などの樺戸の山々、、、、、、、
それはドイーーーンと下から突き上げるような迫力でえ〜〜〜それはそれは本当に美しくうぅ〜〜〜

山頂にいた人達からはいっせいに悲鳴に似た声がひびきわたったのでした。
「す、す、こりゃあ、すごーーーい!!」、おっさんは手に持ったおにぎりを握りつぶしてしまい、おばさんはサクランボの種まで飲みこんでしまったのです。

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