あっ、、、く、く、クマだぁ〜〜〜おばさん叫ぶ、おっさん唖然!

山頂(ハイマツの見えるところ)は目の前です、もうキツイ登りは無く、尾根も広くなり雪庇もありません。あるのは風だけです、、、しかしこの風が非常にやっかいものであり、よろめきながら進む一行でしたが、写真に写ると見事な光景を抱いての山行に見えるのです。いや事実素晴らしい光景が広がっていた、いた、いたのですが・・・

南日高の山並みを見ながら山頂を
南日高の山並みを見ながら山頂へと向かう

と、その時オキシマップ山からフワーっと雲が流れ、それは強い風にのってすぐに一面に広がり、もちろん豊似岳へと近づいてきて!「う〜〜〜ん、それはナイよ、それはナイぞ」おっさんはちょっと気落ちしながら一行の後を追いました。

オキシマップ山がガスに包まれ

と、その時2番目を歩いていたおばさんの声「あっ、クマだぁ〜〜〜」その声に驚いて見上げる一行、「あっ、あれあれ、あそこだ、あそこにいるぞ!!!」おっさんも懸命に目をこらしました。「どこどこ、、、いたっ、あれだっ!く、く、クマだぁ」。

約200mほど先でしょうか、黒い塊がこちらの気配に感じたのでしょう、振り向いたかと思うと、一気に山頂方向へと向かって走りだしました。あれよあれよ、、、あっと言う間に山頂付近のハイマツの影に消え去ったのです。


一行はまたゆっくりと進みはじめました。「ほらほら、これよ、あのクマの足跡だわ」足の鋭いツメがしっかりと雪面に食い込んでいます。大きさはおっさんの手のひらくらいでしたから、小グマだったのでしょうね。

クマの足跡

山頂が近づくと一段と視界は悪くなり、風は一向におさまらず、俯き加減にハイマツと格闘、嫌気がさしてちょっと回りこむようにしてクマさんの通った雪面を進みました。そうですよね、やはりクマさんだって歩き易いところが良いに決まってる。

山頂手前

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