「あれーーーーーーーっ」目の前のガスがスーーーと消えて、硫黄山から北へ続く尾根がくっきりと現われたのです。
しかも遠く知床岬の山々、雲海、、、もう全く展望を期待していなかった一行にとって、それはそれはもう最高の出来事だったのでした。
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忽然とガスが切れ、北へと続く尾根が・・・
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硫黄山山頂部
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更に取付に着いたころには1550mピークや硫黄山山頂が青空に映え、、、ゆーーーったりと昼食、ポカポカと暖かく、なにか満足一杯の一行だったのでした。
しかしまだ最後の行程、下山が残っています、疲労がたまった身体で気は抜けません。
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遠く知床岳が・・・
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さて11時20分、いよいよ下山開始です。 ザレ場をどんどんと下って行き、沢地形を進むとやがて目の前に大雪渓が現われたのでした〜〜〜夏には涸沢とのことですが、この時は延々と雪渓が続いていたのです。
ストレートにそして慎重に雪渓を下りました、両岸の崖に挟まれた白い雪渓、そしてその彼方には空に溶けこんだ青いオホーツク海、そんな美しいロケーションを楽しみながら下りました。
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大雪渓を下る
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所々雪渓が溶けているところは沢歩き、、、まだかまだかの尾根取りつき地点を探しながらkakut旦那さんが積極的に進みます。
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大きな岩石の矢印に従って尾根へとりつき、ハイマツの樹林帯を下るとやがて裸地の新噴火口へ!13時50分。
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尾根取りつき地点の岩石
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さあ、ここまでくれば登山口までもう一息です。少しゆったりと休憩しました、メンバーの顔もどこかホッとした雰囲気が漂っています。
「さあ行きましょうか」疲れきった体にムチ打つように、どんどんと下りました。
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新噴火口からフィナーレに向かい
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やがてカムイワッカ川が見え、樹林帯に入ります。
ん?んんん?登山道の両脇には、どう見ても熊さんが掘り起こしたと見られる形跡があちこちに確認できたのです。こうなると鈴をチリンチリン、、、ホイッスルをピーーー、、、大声で「熊さん、お邪魔しますよーーー」、賑やかな登山者ですが必死です。 縦走路へ出てからは一人の登山者とも出会っていません。Sugawar旦那さんが熊よけスプレーを取りだし先頭を歩きはじめました、おっさんはすぐその後ろでホイッスルを吹きつづけました。
と、その時でした、「オーーーイ」と人の声が聞こえたような、、、「あっkamiさんだよ、きっと、、、kamiさーーーーん」
やがて登山口が見えサポートのkamiさんが手をふっている姿が目に入りました。「あーーーーっ」おっさんはこみ上げてくる何かを必死に堪えていました、ジーーンと目頭が熱くなるのを覚えたのです。
15時23分、登山口到着です、「やったーーーー」握手、握手、、握手、、、kamiさんが用意してくれた冷たいジュースでかんぱーーーい!!
重装備、山中泊縦走、雪渓歩き、大展望、延々と広がるお花畑、そして強風、豪雨、視界不良、熊の掘り起こし、、、全てを一気に体験した一行の大、大、大満足の山行は今終ろうとしていたのでした。
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コースタイム(含休憩時間)
【1日目】 岩尾別登山口 06:03 オホーツク展望台 06:47 弥三吉水 07:49 銀冷水 09:23 羅臼平 10:37-10:47 羅臼岳 11:35-11:52 羅臼平 12:35-13:17 三ツ峰キャンプ地 13:57 サシルイ岳 14:46
オッカバケ岳 15:55 二ツ池 16:19 (1日目行動時間 10時間16分)
【2日目】 二ツ池 05:55 南岳 06:50 知円別岳分岐 08:15 硫黄山取付 09:35 硫黄山 10:00 硫黄山取付 10:30-11:20 硫黄川とりつき 13:05 新噴火口 13:50-14:10 カムイワッカ登山口 15:23 (2日目行動時間 9時間28分)
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【編集後記】 ・登山計画書は前日ウトロの駐在署へ提出し、今回の山行について説明しました。下山後は電話にて報告しました。 ・サポートのkamiさんとは携帯で連絡を取り合っていたのですが、お互いの位置関係で通じないところが多かったです。 ・縦走路は不鮮明なところもありますので十分注意しましょう。 ・羅臼岳、硫黄山ともに山頂部は急な岩登りです。落石に注意しながら慎重に登りましょう。 ・知床山系ではヒグマとの遭遇に十分注意しましょう(当然のことながら熊よけ鈴必須です) ・今回は途中で十分水をとることができましたが、夏場では担ぎ上げる水量を検討する必要があります。 ・山中での天候激変を痛感した山行でもありました。
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