そして長い一日は終わった

上空を旋回していたヘリが下りて来た。ホバーリング開始、猛烈な雪煙があたりを包む。どうやら彼女を収容したようだ、ヘリが高度を上げ飛び去っていった(16時)。私達は手を振りながら見送った。

ヘリが飛び去る

静寂があたりを包んだ。「終わったね」私達は下山を開始した。

しかし斜面へ立ちっぱなしで膝はガクガク、力が入らない、慎重に慎重に、ゆっくりとゆっくりと下りる。2段目で小休止、ふと振りかえると、あぁ〜〜〜上空は見事に晴れあがり、十勝岳や富良野岳が今まさに夕日に赤く輝きはじめようとしていたのだった。

「なんて光景なんだぁ〜〜〜」二人はデジカメを握り締めながら叫んだのである。くたくたになりながら無事白銀荘前へ。16時30分!

富良野岳
富良野岳

十勝岳
十勝岳

白銀荘で警察の事情聴取をうけ、その後風呂へ入り、ふと昼食を食べていない事に気がつく。上富良野のコンビニでオニギリを買いほおばりながらの帰札だった。
こうして長い、長い一日は終わった。

【編集後記】今回の山行で私なりに感じたことを(反省もこめて)少し書いてみました。

山スキーでの山行では、とにかくまず自分の技量をはっきりと客観的に把握しておく必要があると思います。キレイにとか豪快にとかは十分実力のある人達の話しです。(これは今回の事故に直接関係があったかどうかは別です)

単独の山行はできる限り避けた方が良いと思います。自分が身動き出来なくなると大変です。天候悪化などによるビバーク等も生死に直結しかねません。

携帯電話は場所にもよりますが、連絡方法のツールとして持ち歩くべきです。又予備電池も用意しておきましょう。
GPSも冬山では特に威力を発揮します(案内標識などありませんからね)。現在地確認にも利用できますし、もちろんナビゲーションもしてくれます。ただしこれも予備電池を忘れずに!

ツエルトはもちろんですが、テントがあれば尚良いです。テルモスには暖かい飲み物を入れて持ち歩くようにしましょう。

最後に山の先輩某氏のご意見を引用させていただきました。

自戒を含めて一点触れておくべきは、「事故れない場所では事故らない」の鉄則の再確認ですね。
ハードな斜面でこければ負傷する率は格段に上がるのは分かりきったこと。
自分の採るラインの各セクションにどういうリスクがあるのか認識し、それらの中で最低限犯してはならない事項に優先ランクをつけるような感性が必要でしょう。


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