比麻奈山が近づくにつれて紅葉が一段と輝き始めた。その度に立ち止まりおばさんも私もカメラのシャッターを押す。稜線上で一番輝いていたのがウラシマツツジだった。とにかくその彩は鮮やかだった、ちょうどまさに旬と言った感じで一面に広がる。それはまるで遠くに見える山々のシルエットを際立たせるかのように稜線を覆い尽くしているのだ。 |
ウラシマツツジと支湧別連山、武華山、武利岳などのシルエット |
そしてそんな輝きの紅葉が一段と際立たせた光景がアンギラスだった。10時ちょうど、比麻奈山に立った。「わぁ〜〜〜っ」おばさんが叫んでいる。赤いウラシマツツジに誘導されるかのように、目の前にはアンギラスが、そしてその奥にはニセイカウシュッペ山がその山肌を染めながら立ちはだかったのである。私は何度もシャッターを押していた、、、カメラのレンズを拭きながら! 【比麻奈山からニセイカウシュッペ山へと続く吊り尾根、、、いわゆる通称アンギラスの岩峰群には特別の思いがあった。今年6月にはニセイカウシュッペ側から大きな岩峰群の基部手前まで偵察行〜そして今年の秋には仲間と縦走を・・・と計画していたのだが、スケジュールがとれずに来年へ〜〜〜】 少し離れた地点のウラシマツツジは圧巻だった。稜線上に(手前に)その赤い絨毯を敷き詰め、アンギラスの奥には小槍〜大槍、そしてニセイカウシュッペ山を配置していた。「こりゃあ凄いぞっ」小雨と強風にさらされてちょっとかじかんだ指先など、もうすっかりと忘れていた。 |
手前にアンギラスと奥にニセイカウシュッペ山 |
ウラシマツツジの絨毯 |
手前に整列したウラシマツツジの彼方には紅葉した山肌を見せながら、比麻良山と奥には1755m峰が見えていた。少しアンギラスへと続く稜線に向かって深い沢を覗き込む。黄色とオレンジ、緑のカラーバランスがとても美しかった。「良いねぇ〜〜〜」「青空じゃなかったけど、、、何かとても得した気分ね。こんなにウラシマツツジの紅葉が広がっていたなんて」。強い風の中ではあったが私達は満足だった。天気模様のわりには周囲の山々が見えていたし、紅葉も見事だったし・・・ |
比麻良山と後方に1755m峰 |
深い沢の紅葉 |
1737m標高点に戻る途中で二人連れの方とすれ違う「比麻奈山はあれですか、、、比麻良山はまだ先?」、、、稜線から離れて下って行くころにやっと登って来る人達とすれ違いだした。「見えていましたか?雨はどうですか?」皆さんやはり天気模様が気になるようである。 ナキウサギを見た地点で少し休憩していたが、もうその姿を見ることは無かった。「さあ、行こうか〜」後ろ髪を引かれながら降りて行く。大きなザックを背負って登って来る男性、、、「今日は山中泊ですか?」「そのつもりなんですけど・・・この天気ですからね〜どうしようかと思って、、、」そんな言葉を交わしながらすれ違う。 12時ちょうど、登山口に降り立った。「良かったねぇ〜〜〜」「明後日の黒岳はどうなのかしら、、、」「予報では比較的良い天気だから・・・期待して良いんじゃないの???」。予報では翌日は雨模様だった、天気が良ければ付近をぶらぶらして車中泊にしようかとも思っていたが、、、一旦札幌に向かって車を走らせた。 |
コースタイム(含休憩時間) 登山口 06:25 冷涼の滝 06:55 分岐 08:35 平山 08:55-09:15 比麻奈山 10:00-10:10 分岐 10:35 冷涼の滝 11:35 登山口 12:00 |
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