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高度が上がるにつれてガスが濃くなってきた。登山道奥に季節感を抱くかのようにアキカラマツが咲いていた。チシマセンブリも咲き始めていた。径1cmほどの花冠、その裂片にある斑点と蜜腺が美しい。今回は斑点の無いものも見ることができた。

10時10分、アポイ岳の山頂に到着。駐車場から歩き始めて4時間のロングラン?となった。ガスが漂う山頂のダケカンバが一段と美しい。ザックを下し汗を拭い~おもむろに軽食を頬張る。


山頂へ向かって登る


アキカラマツ


チシマセンブリが咲き始めていた


裂片に斑点が無いものもあった




ガスが漂う山頂にダケカンバが美しい

登り始めの頃は~アポイ岳の山頂まで行けるかどうかと思うほどの暑さだったのだが、、、ガスに包まれた山頂ではなんとなく元気を取り戻していた。「行こうか」立ち上がり、ザックを背負って吉田岳の稜線に向かって下り始めた。もちろん展望は望めない。でもその先に咲いている花々に惹かれるかのように私達は歩を進めるのだ。

稜線上は西側からガスが流れ込み、やや強い風を受けるのだが~登山道が稜線の東側に回り込むとピタっと風が止んで暑さを感じることになる。「暑いぞ~」と言いながらさらに進むと稜線の東側に出て、また風を受ける。岩場には風に揺れてダイモンジソウが咲いていた。登山道の奥にガスで霞みながらビロードエゾシオガマが林立していた。近くでも咲いていてくれて~ヒメエゾネギ共々カメラにおさめた。

この山域でエゾルリムラサキを見たのは久しぶりだった。見られる機会がそれほど多くは無いムラサキ科の多年草である。白花品はシロバナエゾルリムラサキと言うそうだ。遠くの岩場に咲く様子は望遠レンズで撮影した。


吉田岳稜線に向かって下る




ガスに包まれた稜線に展望は無い


ダイモンジソウ


ビロードエゾシオガマ


ビロードエゾシオガマ


ヒメエゾネギ


エゾルリムラサキ





シロバナエゾルリムラサキ


遠くの岩場に咲くエゾルリムラサキを望遠レンズで

758mピークの手前が今回の私達の最終地点。濃いガスに包まれながらアポイ岳に向かって登りかえす。さすがにこの時間になると山頂は賑わいをみせていた。水分補給をしてそのまま馬の背に向かって下って行く。7合目付近からガスが消え始め~5合目では強い陽射しが照り付けていた。日陰に入って小休止、すぐに樹林帯へと進んで行く。第四休憩所で涼をとりながら大休止、さあもうひと頑張りと自分達に声をかけながら下る。

樹林帯を抜けて「お疲れさま~」と言いながらふと道路脇を見た。そこにはエゾスズランが咲いていた。14時35分、ビジターセンター前の駐車場に到着、恐る恐る車のドアを開けた。強烈な熱気に襲われたことは言うまでもない。


キンロバイ咲く稜線をアポイ岳に向かって


馬の背から5合目に向かって下る


エゾスズラン

コースタイム(含休憩&撮影時間)
ビジターセンター前駐車場 06:10  5合目  07:40-07:50  馬の背 08:40-09:00  アポイ岳 10:10-10:35  吉田岳への稜線 アポイ岳 11:50  馬の背 12:30-12:40  5合目 13:10-13:20  駐車場 14:35

【歩行距離 11.1km  延行動時間 8時間25分】

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