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天気はぐんぐん回復してきて青空も見え始めた。なだらかな稜線歩きは続く。後方に大雪の山々を配して~手前の広大な砂れき地に点々と高山植物を見る事になる。

咲き始めたエゾタカネスミレ、そして一番見たかった大雪山の固有種ホソバウルップソウの姿を目にすると~一気に足取りは遅くなって、何度も立ち止まりしゃがみ込みながらファインダーを覗きこむ。ちょっと地味だがアブラナ科のミヤマタネツケバナもポツポツと見られた。


青空も見え始めた稜線を行く


広大な砂れき地に点々と高山植物が咲いていた




エゾタカネスミレ



ホソバウルップソウ





ミヤマタネツケバナ


なだらかな砂れき地に一段と彩りを添えていたのは、大雪山の代表的な花でもあるエゾオヤマノエンドウだった。青い蝶形の花で中心部に見える小さな白い斑も特徴的だ。白や黄色、そして緑が敷き詰められた中で一段と際立って輝いていた。まだ咲いていたチシマアマナ、そしてチョウノスケソウが咲き始めていた。いつも悩むツメクサに今回もカメラを向けた。エゾミヤマツメクサとエゾタカネツメクサである。ここでは両方見られるらしいので判別が難しい。


エゾオヤマノエンドウ



チシマアマナ


チョウノスケソウ


エゾミヤマツメクサ


エゾタカネツメクサ

「そろそろ戻ろうか」稜線がやや登りとなる手前付近で私達は引き返した。赤岳に向かって歩いて行く。「お~見えて来たぞ」この頃になると青空も広がり始め~ついに旭岳方面も姿を現した。そんな光景をカメラにおさめながら稜線上に咲く花々に目を落とす。それらはまるでモザイク模様を点々と敷き詰めたかのような広がりで咲き誇っていた。

先行するおばさんがしゃがみこんでカメラをあちこちに向けていた。「えっ、なにかいるの?」「蝶よ、ほらあちこちに飛んでいる」、小さな蝶や少し大きめの蝶。おばさんが撮影出来たのは、日本では大雪山のみに分布する高山蝶の「ウスバキチョウ」のようだ。


赤岳に戻って行く


旭岳、北海岳、北鎮岳などの山々を望む
画像クリックで幅1280ピクセルのパノラマ画像表示


エゾオヤマノエンドウとイワウメ



ミヤマキンバイとイワウメ


ミヤマキンバイ、イワウメ、エゾオヤマノエンドウ等


ウスバキチョウ(おばさん撮影)

赤岳に戻って展望を楽しみながらゆっくりと昼食タイム。数名の方々が登って来て「やった~」と歓声をあげていた。11時50分下山開始、第四雪渓を下って~第三雪渓へ。登山道整備をしている方々がいた。「ご苦労さまです」お礼を言いながらすれ違う。コマクサ平でもう一度写真を撮り直し~第一花園の大雪渓を慎重に下る。

「沢山の花を楽しめたわね」「うん、今年も素晴らしかったなあ~」そんな言葉をを交わしながら銀泉台へ。装備を解き満足感に浸りながら札幌への帰路についた。


第四雪渓に向かって下り始めた


第四雪渓


第三雪渓


第一花園の雪渓を下る

コースタイム(含休憩時間)
銀泉台 06:00  第一花園 06:50  コマクサ平 07:45  第四雪渓 09:00  赤岳 09:50-11:15  コマクサ平 12:30  銀泉台 13:50
【歩行距離 10km  延行動時間 7時間50分】

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