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白樺山を下山してすぐに、道路を挟んで向かい側の目国内岳登山口へ。背の高い笹に囲まれた登山道を登って行く。「あれっ、静かだね」恐らくこっちにも多くの山菜採りの方々が入っていると思ったのだが、サイレンの音はもちろん笹の揺れる気配も無い。「こっちはもう終わったのかなぁ」と思いながら登って行くと、登山道脇に座っている男性がいた。「山登りかい?」「そうです、沢山採れましたか?」男性は微笑みながら傍らの大きな袋を指差した。「あっちにイチゴの花が咲いてるよね」「ノウゴウイチゴですかね、沢山咲いてますね」そんな話しをしているうちに、少しずつ汗が噴き出してきたのを感じた。

「休憩しよう」登山道脇のスペースにザックを下し汗を拭って水分補給。「やっと一息ついたって感じだね」そう言いながら立ち上がる。「あのあたりかなぁ?」「もう少し登ったところじゃない」・・・「あっ、咲いてるよっ」。フギレオオバキスミレがその葉を大きく広げながら群生していた。「綺麗だねぇ」思わずため息をつきながら立ち止まる。

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背の高い笹に囲まれた登山道

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登山道脇を彩るフギレオオバキスミレ

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群生するフギレオオバキスミレ (おばさん撮影)

登山道脇に咲く花々は白樺山と同じものが多い。ミヤマスミレやコミヤマカタバミ、ツマトリソウやマイヅルソウなどがそれである。オクエゾサイシンは白樺山では葉を見つけたが花をつけていなかった。こちらではいい感じで咲いていた。低木ではオオバスノキやクロツリバナが見られた。

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コミヤマカタバミ

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ツマトリソウ

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オクエゾサイシン

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咲き始めたばかりのマイヅルソウ

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オオバスノキ(落葉低木)

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クロツリバナ(落葉低木)

高度は上がって頭上に青空が広がって来ると風がやや強くなってきた。それでもあの白樺山ほどでは無い。振り返ると視界がぐんと広がって登って来た白樺山も見えるのだがその存在感としては厳しい。それよりもチセヌプリとシャクナゲ岳、その間に頭を出す羊蹄山に目を奪われる。
11時20分、前目国内岳の頂上に立った。白樺山頂上からの展望とダブルのだが、目の前には目国内岳が一段と大きく聳えて、なだらかな稜線の端に岩内岳、眼下に岩内市街などの展望が広がる。

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強い陽射しを受けながら登る

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左端にワイスホルン、中央手前が白樺山。チセヌプリとシャクナゲ岳の間に羊蹄山
画像クリックで幅1024ピクセルのワイド画像表示

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もうすぐ頂上

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目国内岳

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右端が岩内岳
画像クリックで「岩内岳、眼下に岩内市街」のパノラマ画像表示

白樺山の登山道脇でも見られたヒメタケシマラン、こちらではオオバタケシマラン共々見る事ができた。もちろんヒメタケシマランの方が小さいのだが、その他の大きな違いは花のつき方のようである。オオバタケシマランは葉腋から出る花柄が一ひねりして折れ曲がっている。ヒメタケシマランの花柄は折れ曲がらない。いずれにせよどちらも葉の下にぶら下がって咲くので撮影は大変だ。

ベニナバイチゴは北海道では西南部で見られる高さ1m以下の落葉低木である。その紅色の花びらとやや俯き加減に開くさまがとても印象的で私の大好きな花でもある。

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ヒメタケシマラン

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オオバタケシマラン

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ベニバナイチゴ(落葉低木)
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「そろそろ下りようか」私達は下山を開始した。それほど多くは無いものの目国内岳に登って来た人、まだ登って来る人達とすれ違う。前方に大きく広がるニセコ連峰を目にしながら~やがてフギレオオバキスミレの群生する登山道脇へ。もう一度たっぷりとその姿を堪能しながらカメラにおさめる。12時20分、目国内岳登山口へ。さすがにこの時間になると周辺は「あの早朝の賑わい」は無かった。

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フギレオオバキスミレ
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コースタイム(含休憩時間&写真撮影時間)
白樺山登山口 06:50  白樺山 08:15-08:50  白樺山登山口 09:50  前目国内岳登山口 09:55  前目国内岳 11:20-11:35  前目国内岳登山口 12:20

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