やがて前方に大槍が大きく立ちはだかる。その圧倒的な迫力は周辺に雲が流れるとより強烈な印象を与えるものだが、この日は強い陽射しが降り注ぐ青空の下だった。
そのコルに下り立つと眼下に小さな雪渓がまだ残っているのを見つけた。早速背景に利用してハクサンチドリとミヤマキンポウゲにカメラを向けた。ひょっとして雲が無くなっているかもと表大雪の山々に目を向けた。期待通りのスッキリとした光景が展開されていた。
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前方に立ちはだかる大槍
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まだ残る雪渓を背景にして咲くハクサンチドリ
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ミヤマキンポウゲ
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雲が切れて表大雪もほぼスッキリと見えた
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登山道脇に咲く花々に話しをもどそう。まだ綺麗に咲いていたエゾノレイジンソウを見つけて、うれしそうにシャッターを押す。「こんにちは」「どうぞお先に」後続の人達の迷惑にならないようにと道を譲る。「いやぁ~こっちもゆっくりだから」「休めるからいいですよ」そう言ってはくれるのだが・・・やっぱり先に行ってもらう。
富良野岳や赤岳でもそうだったが、ここもモミジカラマツが大変多い。ちょうど強い陽射しを受けて輝いていた群落を撮ってみた。カラマツソウはほぼ終わっていて果実となっているものも見受けられた。広い翼にぶら下がる様子が面白い。エゾウサギギクはちょうど見頃を迎えていた。咲き始めでまだあまり草丈が高くない可愛い群落に目を奪われた。
咲き始めのナガバキタアザミ、撮影していると突然モンシロチョウが飛んで来て蜜を吸い始めた。「ちょっとどいてくれよ」と言うわけにもいかず、折角だからその姿も撮らせてもらう。
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エゾノレイジンソウ
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陽射しを受けたモミジカラマツが美しい
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カラマツソウの果実 |

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マルバシモツケ
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エゾウサギギク
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ナガバキタアザミとミヤマアキノキリンソウ
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モンシロチョウが飛んで来て
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コルからひと登りで稜線に飛び出した。東側の展望がいっきに広がって~大槍の裾越しに石狩連峰を望み、目の前には比麻奈山へと続く吊尾根(アンギラス)が目に飛び込んで来る。展望だけでも一級品だが、深い沢へと落ち込む斜面を彩る花々がまた素晴らしい。チングルマやエゾノハクサンイチゲ、チシマノキンバイソウ等が流れ落ちるように咲く様は言葉にならないほどだ。
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稜線から石狩連峰を望む
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比麻奈山への吊尾根アンギラス
画像クリックで幅1024ピクセルのパノラマ画像表示
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斜面に流れ落ちるように咲くチングルマとエゾノハクサンイチゲ
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沢斜面をチシマノキンバイソウが埋め尽くす
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チングルマの群落
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ちょっと地味なタデ科の植物タカネスイバもその色合いから結構目立つ存在だ。ミヤマアキノキリンソウが咲き始め~エゾツツジがいい感じ。そして何と言ってもシベリアシオガマ、昨年はまだ咲き始めだったがそれより1週間ほど遅い今回はちょうど見頃だった。私達にとっては今回の山行での注目すべき花のひとつとなった。チシマフウロはほぼ終盤だったが、その色合いから残り花でも結構目立つ存在であった。
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エゾツツジ
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シベリアシオガマ
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バイケイソウ
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チシマフウロは終盤だった |