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黒岳石室に戻ると、既におばさんが待っていた。少しだけ休憩してそのまま雲ノ平に向かって進んで行く。ほどなくして「わぁ~凄いね!」と叫ぶことになった。チングルマの羽毛状の果穂が周辺を真っ白に埋め尽くしていたのである。それはまるで流れのように赤く紅葉した葉と見事なグラデーションとなって広がっていた。ここでこれほどの規模の光景を見たのは初めてであった。きっと花期には見事に咲き誇っていたのであろう。延々と続くそんな光景に圧倒されながらゆっくりと進んで行った。

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チングルマの羽毛状の果穂で白く埋め尽くされて

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まるで白い流れのように

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チングルマの羽毛状の果穂を上から見て

お鉢平展望台に向かって進んで行く。ハイマツの上にとまったホシガラス、中に潜り込んでマツボックリを食べているのだろう。姿を現した瞬間をとらえる。枯れたハイマツの上にチョコンと立ち止まってくれたシマリスが可愛い。しかしあっと言う間にハイマツ等の下に走り去る。おばさんはそんな瞬間を楽しむかのように連写する。

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ホシガラス(おばさん撮影)

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枯れたハイマツの上にシマリスが(おばさん撮影)

大きな岩を交わしながら登ってほどなく、お鉢平展望台に到着だ。やや雲が多くなってきて薄日を感じる程度、さすがにここまで来ると風も出て来て肌寒いほどである。周辺の淡い紅葉をカメラにおさめてザックを下し昼食をとった。人影もまばらなこの日の展望台は、何となくこれから訪れる長く厳しい冬を感じさせる。私達は展望台を後にして黒岳石室に向かって戻り始めた。

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岩を交わしながら登って

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お鉢平展望台

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黒岳に戻って行く


黒岳石室で小休止した後に黒岳へ、そのまますぐに7合目に向かった。薄曇りの空の下ではさすがに雲海はもう消えていて、ニセイカウシュッペ山を見ながら下って行く。見下ろす感じのマネキ岩周辺の紅葉は圧巻だ。

「こんにちは」「そうぞ」、次々と登って来る人達が続く。14時15分、リフトに乗り込む。登りのリフトにはまだ人影が続いていた。

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前方にニセイカウシュッペ山を見ながら下って行く

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マネキ岩を見下ろしながら

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コースタイムは省略します。

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