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「ここまでだね」ザックを下して軽食を頬張る。今回はこれより先の北海岳へ向かう予定は無い。「こんにちは」「どうも~今日はどちらからですか」時々やって来る縦走装備の人達と言葉を交わす。ゆっくりと尾根からの展望やヒースのお花畑を堪能して~私達は黒岳石室に戻って行く。北海沢を埋め尽くす大雪渓の奥に黒岳や桂月岳を見て~ウラジロナナカマドの花に包まれるように下る。

黒岳石室でちょっと空腹を覚えてベンチに座って再度軽食を頬張る。私達は長い山行では小刻みに食料や水分補給をするようにしている。「先に行ってても良いかしら」おばさんは黒岳に向かう斜面での出会いに期待しているようだった。私は意外と静かな石室前で少しゆっくりと休憩してからおばさんの後を追った。

振り返ると周辺に雲が流れ始めていた。あの好天がまるでウソのようにあっと言う間に日射しは遮られてしまった。おばさんに追いつくと盛んにシャッターを押していた。ハイマツの影から出て来たシマリスがキバナシャクナゲの果実を食べていたのである。更に先ではヒースのお花畑に咲くイワヒゲの中にも見ることが出来た。

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北海沢に向かって尾根を下り

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左に桂月岳、右に黒岳

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ウラジロナナカマドの花が咲く中を

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北海沢の雪渓を下って行く

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石室周辺に雲が流れ始め

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あっと言う間に雲が広がって

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キバナシャクナゲの果実を食べるシマリス (おばさん撮影)

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雲に包まれた黒岳頂上へ

雲に包まれた黒岳頂上で再度休憩して、13時5分に下山を開始した。時間的なせいもあったのか、思いのほか登って来る人達が少なかった。曇り空となって日射しが遮られ小さな花々の撮影に最適な条件となって、私は撮り直しを繰り返しながら下って行く。「○○にはまだ早かったわね」「△△はちょうど見頃だったんじゃない」「これからまだまだ綺麗に咲くのよね」・・・そんな花々に思いを寄せながらの会話が続く。

斜面を覆うようにウラジロナナカマドとウコンウツギが、登りの時よりも一段と輝いて咲き誇っているように見えた。14時5分、7合目登山口に到着~すぐにリフトに乗り込んで帰路についた。

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ジンヨウキスミレ

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クロユリ

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チシマノキンバイソウ

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ヒメイソツツジ
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イワブクロ
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ミヤマキンバイ
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咲き始めたウコンウツギとウラジロナナカマドの花

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コースタイム(含休憩時間)

7合目登山口 06:45  頂上 08:15-08:35  黒岳石室 09:00-09:15  北海沢 09:40 =周辺散策= 北海沢 11:15  黒岳石室  11:45-11:55  黒岳 12:45-13:05  7合目登山口 14:05

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