最初に現れた沼が土俵沼だ。「あ~~いいなぁ」 iご主人が歓声をあげた。何となく解放された感のある光景と、緑に囲まれた沼に映る高根ケ原周辺の稜線がそう言わせたのかもしれない。もちろん、私も同様にそんな開放感と美しさを感じていた。 バショウ沼、滝見沼と過ぎてやがて緑沼に到着だ。緑の木々に囲まれたおだやかな広がりを感じる沼、青空と白い雪渓を残す高根ケ原の稜線が美しい。これが紅葉シーズンとなったらどんな輝きになるのだろか、そんな思いを抱きながらザックを下してゆっくりと休憩した。センターでの受付が7時50分、私達が最初の入山者であったし、追い越されることも無かった。静かな一時を満喫しながら沼を見つめる。 |
土俵沼 |
バショウ沼 |
滝見沼 |
緑沼 |
ミネカエデの両性花 |
ミネカエデの雄花 |
オガラバナ |
エゾノレイジンソウ |
やっと二人連れの方がやって来た~この日初めての出会いだった。入れ変わるように私達は美しい緑沼の縁を進んで行く。この日の天気は、始まりはほぼ快晴~進むにしたがって雲が浮かび始めたが天気を崩すようなものでは無く、ほぼ無風の心地よい沼めぐりとなったのである。ただし~入山前にセンターでも言われたのだが、コース中盤くらいまではつきまとうヤブカとの格闘があった。 このコースの途中で見られたまだ開いていなかったアカバナ、帰路ではやっと開き始めていた。やがて渓流に沿うように咲くエゾノリュウキンカにカメラを向ける。もっとスローシャッターにしたいところだが、手持ちでは残念ながらこれが限界か。 |
緑沼の縁を通って |
ミヤマアカバナ (帰路に撮影) |
清流に沿うように咲くエゾノリュウキンカが美しい |
アラシグサ |
鴨沼~そしてまだ残る雪渓の縁を慎重に進んで行く。やがて大きなえぞ沼が現れた。沼の縁がコースなのだが~先を進むおばさんとi奥様が一瞬立ち止まった。良く見るとコースの一部が水没しているようだ。その横の岸にはほんの少し雪渓が残っていて踏み跡もあるようだ。しかしそれはあまりにも狭く、今にも崩落?する危険もありそうである。おばさんはそのままジャブジャブと水を漕いで進み、i奥様もそれに続いた。今回の足元は登山口にスパッツだったが、水を漕いでも特段問題無く通過出来た。 式部沼まで来ると高根ケ原の稜線が一段と近づいて見える。式部沼の奥から振り返ると緑岳が見えていた。さらに100mほど先が大学沼である。ここはまだ大きな雪渓に覆われていた。ちょうどパトロールの方が居たので、この先の状況やヒグマに関する情報をお聞きする。丁寧な説明を聞いて~「今回はここまでにしましょうか?」全員一致の結論だった。 |
鴨沼 |
雪渓の縁を進む |
えぞ沼 (コースが一部水没していた) |
式部沼 |
式部沼の奥から見えた緑岳 |
大学沼へ |
大学沼は大きな雪渓に覆われていた |
コースの途中でタニマスミレを見ることが出来た。地上茎の無いスミレで背格好?はミヤマスミレに似ているが~図鑑によると葉が心形であり葉脈がへこんでいること、側花弁基部に白い毛があること、距は短く袋状であること等が特徴としてあげられる。北海道の山地~高山の湿地や湿原に局所的に見られるスミレとのことである。 えぞ沼の奥に緑岳を見ながらゆっくりと戻って行く。もう一度沼を巡りながら~木道脇に咲く花々を愛でながら~。「お疲れさまでした」高原温泉の駐車場に戻ってほっとしながらザックを下した。「どうもありがとうございました、おかげさまで充実した2日間になりました」「こちらこそ、ご一緒出来て楽しかったです。久しぶりの高原沼も楽しめましたし」そう言いながらiご夫妻に別れを告げた。 |
タニマスミレ |
えぞ沼の奥に緑岳を見ながら |
コースタイムは省略します |
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