時々ガスが途切れるものの、すぐにまた濃いガスに包まれる。「こりゃあ、山頂からの展望はあきらめだね」「何度も見ているから・・・」、私達はほとんど落胆はしていなかった。それよりも登山道脇に咲くエゾノホソバトリカブトに目を奪われていたのである。紫色の鳥帽子状の花、「この葉っぱが可愛いね」~その細い葉からエゾトリカブトとは違った華奢な印象を受ける。「こっちの方が・・・」「いやこっちも良いぞ」と何度も何度もしゃがみ込む。 登山口をスタートして約2時間、私達は尻別岳の山頂に立った。花の写真撮影をしながらのゆったりペースだから、普通に登れば2時間は切るだろう。参考までにガイドブックのコースタイムは(休憩含まず)、登り1時間50分、下り1時間20分となっている。 ガスに包まれた山頂からの展望はもちろん無い、結果的に羊蹄山を見れたのはコル付近からだけだった。「まあ、次の機会だね」そう言いながらザックを下した。 |
エゾノホソバトリカブト |
クロバナヒキオコシ |
次々と登山者が登って来る、入れ替わるように私達は下山を開始した。急斜面を一気に下って行く、登りの時よりも慎重になる。固定ロープもしっかりと補助に使いながら一歩一歩~~~。私の後に下りてきた単独の女性は、私がロープを使い終わるのを待って下り始めた。「滑りますよね~」「そうですよね~」。このコース、雨上がりの時にはもっと大変なことだろう。 やっとガスの下に出て斜面の傾斜が緩み、眼下にルスツリゾートを見てほっとする。少し風が吹き始めて、アキカラマツが揺れ~木々の葉が色づき始め~まだ咲き残っていたハイオトギリ~そして返り花のタチツボスミレを一輪・・・秋の訪れを感じながら登山口へと下って行く。 |
風に揺れるアキカラマツ |
木々の葉が色づき始め・・・ |
咲き残っていたハイオトギリ |
返り花のタチツボスミレが一輪 |
コースタイムは省略します。 |
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