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目の前に「母の胎内」と書かれた大きな岩が立ちはだかる、すぐ横の岩の間をすり抜けるように進むのだが、右にある巻き道の方が歩きやすい。

更に小さな岩混じりの登山道を登って行く。そしてついに山頂直下の梯子が・・・おばさんが足をかけて登ろうとしたのだが「やっぱりここでやめるわ」そう言いながら下りた。「うん、無理することは全く無いよ」、もうひと登りで山頂ではあるが~あまりそれに拘らない。もちろん今までに二度そのピークを踏んで展望も確認していることもあるが。

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山頂直下の梯子

私はその場にザックを置いて、カメラだけをぶら下げて一人で梯子を登り始めた。私とて高所恐怖症、決して気持ちは良くない。特に最後の梯子は急角度でしかもちょっと傾いていた。慎重に足場を確認しながらロープと鎖をしっかりと掴み、、、最後の一歩を恐る恐る踏み出した。11時15分、ついに私は誰も居ない剣山山頂に立った。登り始めてから3時間25分であった。

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最後の梯子は急だ

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山頂からは期待通りの大展望が広がっていた。眼下には見渡す限りの広大な十勝平野が広がり~そして目の前には日高の山々が延々と連なる・・・「素晴らしい!」私は一人でそう叫びながらシャッターを押し続けた。十勝幌尻から妙敷山、伏美岳~さらにはピパイロや1967峰、芽室岳とその手前には久山岳。

しかし~どうも足元が落ち着かない、何かむずむずと感じるものがある。慎重に恐る恐る梯子の上部に手をかけて、一段一段下って行く。遠くに見えているのは十勝連峰を始めとする大雪の山々だろう。登って来た稜線を見下ろしていると・・・単独の男性が登って来た。「いやぁ~梯子が怖くて」そう言う私に「そうですね」と微笑みながら答えてするすると登って行く。

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眼下に広がる十勝平野
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伏美岳方面
画像クリックで幅1024ピクセルのパノラマ画像表示(十勝幌尻岳~伏美岳)

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芽室岳、久山岳方面
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遠く大雪の山々が霞む

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梯子の上から登って来た稜線を見下ろす

梯子を下りておばさんと再会? ミネラルドリンクを一気に飲み干してカラカラになった喉を潤す。どうやら私の高所恐怖症は一向に改善されていないようだ。「ここで昼食にするかい?」「一の森まで下りてからの方が良いんじゃない?」下りでもまだまだ緊張を強いられる。やはり安定した?一の森でゆっくりした方が良さそうだ。

私が先導しながら難関を慎重に~ゆっくりと下って行く。とにかく次に置くべき足元を確認して~足場をしっかり確保して、、、「ここは気をつけろ!、、、こっちからだぞ」。三の森から二の森へ~やっと緊張から解放されて一の森へ。
腰を下して軽食を頬張る、この安定感がたまらない? 一の森からは登山道脇に咲く花々の再撮影、途中で登って来る単独の男性とすれ違い・・・更に山頂で出会った男性が下りて来て・・・登山口には14時10分に到着した。

さて、まだ紹介出来ていない花々がある。少ないながらも咲いていたサクラスミレとアカネスミレ、そして私達の大好きなクシロワチガイソウも見る事が出来たのである。剣山と言えばスリリングな岩場の登りと、高度感にたっぷり浸りながらの大展望が満喫出来る山であるが~何と意外にも私達にとっては花も十分に楽しめる山だったのである。

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サクラスミレ
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アカネスミレ

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クシロワチガイソウ
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コースタイム(含休憩時間)
登山口 07:50  一の森 09:30-09:45  山頂 11:15-11:35  一の森 12:35-12:50  登山口 14:10

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