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いよいよ今回の山行のメインである、ビーナスの丘に向かって歩き始めた。前方には大きくも美しいモノトーンのラインが立ちはだかる。先行する男性の姿をとらえながら私達も一歩一歩登って行く。さらにその先の無名峰方向にも単独の登山者が見えていた。
上空から時折射し込む光〜それは広大な雪原と美しい丘をまるでレーザー光線で演出するかのように交錯していた。確かにこれはこれで素晴らしい美しさではあるのだが、、、とにかく風が強すぎた。

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日差しが遮られるとモノトーンの世界に・・・

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時折射し込む光がビーナスの丘を交錯する (画像クリックで幅1200ピクセルのワイド画像)

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時々日差しが降り注ぎ・・・

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舞い上がる雪煙の中を

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チセヌプリを背に登る

「交代するよ」私が先頭になって進んで行く。高度が上がるにつれて風は増々強くなり、周辺は地吹雪模様になって来た。雲間から日差しを受けた時には良いのだが、日差しが遮られてモノトーンになると雪面の凹凸がほとんど見えなくなってしまう。突風に立ち止まりながらも一歩一歩登って行く。
目の前に大きなシャクナゲ岳の急斜面を感じながら、その裾の右方向を狙っておばさんが進んで行く。一気に風が弱まる・・・「どうだっ、見えてるかい?」・・・「見えたわよ〜」おばさんが叫んだ。12時10分、登り始めてから2時間だった。モノトーンの雪原となったシャクナゲ沼の奥に、目国内岳が光り輝いていたのだ。本当は大きく広がる青空と真っ白な山々に囲まれた目国内岳を見たかったのだが・・・贅沢は言うまい。
シャクナゲ沼の北に位置する無名峰はすぐ目の前、残りは距離にして500m標高差が50mほどだから登れないことは無かったが、この強風と流れる雲ではとても挑戦する気持ちにはならなかった。

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地吹雪で霞むシャクナゲ岳を左前方に見ながら

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モノトーンのシャクナゲ沼の奥に目国内岳が輝く

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目国内岳をズームで (画像クリックで幅1200ピクセルのワイド画像)

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標高約1040mの無名峰

シャクナゲ岳に向かって急斜面をジグを切りながら登って行く単独の男性を横目に、私達は下山を開始した。その後から2名のスノーシュー?の人達もシャクナゲ岳に向かっている姿が見えた。
本来ならスキーのシールを外して快適に滑り降りるところだが、、、地吹雪のうえに日差しが遮られたモノトーンの雪面は、私達には怖すぎた。シールをつけたまま慎重に下って行く。登りのトレースはもう消えかかっていた。ただアイレベルでの視界は問題なかったのでミスルートする心配は無かった。

高度が下がってやっと地吹雪から解放された。遠くに昆布岳を見ながら下って行く・・・チセヌプリの山裾を抜けて〜風のおさまった地点で小休止、ほっとしながら軽食を頬張り水分補給。スキー場に入りシールを外して一気に滑り降りて行く。ちょっと重めではあったもののこの時期としては良好な雪質を堪能しながら駐車場に下り立った。それにしても・・・久々に冬の強風を体験した山行であった。

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   遠くに昆布岳を見ながら下って行く  (画像クリックで幅1200ピクセルのワイド画像)

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スキー場を滑り降りる

コースタイム(含休憩時間)

駐車場 10時10分  リフト終点 11時00分  チセヌプリ分岐(コル) 11時40分  シャクナゲ沼 12時10分  リフト終点 13時00分  駐車場 13時20分

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