緑岳と奥に広がる広大な光景を見下しながら登山道脇に休憩スペースを見つけてザックを下した。ここを今回の最終地点とすることにしたのである。登って来る人も下りて来る人も見当たらない。緑岳周辺に少し人影を見るだけであった。「もっと賑わっているかと思ったけどね」「まだ残雪が多いし、案外黒岳方面の方が賑わっているのかもしれないね」近くに咲く花々をほぼアイレベルで感じながら軽食を頬張り、ミネラル飲料を飲み干す。
|

緑岳へと続く稜線と奥にトムラウシ山
|

ニペソツ山と石狩連峰
画像クリックで幅1024ピクセルのパノラマ画像表示
|

メアカンキンバイ
|

エゾイワツメクサ
|

ホソバイワベンケイ
|

ミヤマタネツケバナ
|
「チョウノスケソウ」、赤岳周辺ではやや終盤を迎えていた。「稜線に咲く花々は早かったのかなぁ」やや気落ちして小泉平を歩き始めたのだが・・・「わぁ〜〜〜これは綺麗よ」「ほんとだ、こっちの群落も良いぞ」・・・「凄いわね〜こんなに綺麗に咲いているなんて」。今回の山行の狙い目はチョウノスケソウだった。毎年見ている大好きな花、今年は積雪が多くて見られるか心配だったのだが、ほとんど傷んでいる花も無くちょうど見頃を迎えていたのである。
「来て良かったね」、ちょっとだけ無理をして2日連続の山行で見られたチョウノスケソウ〜おばさんは満足の表情で言った。
|

|

チョウノスケソウ |

|

|

チョウノスケソウとチシマアマナ
|
広大な稜線をもう一度花々に囲まれながら戻って行く。前方にニセイカウシュッペ山を見ながら、赤岳へと刻まれた登山道の軌跡を見つめる。数名の登って来る人達の姿が近づいて来る。「こんにちは〜」声を交わしてすれ違う。
「あっ」とおばさんが叫んだ〜「どうした?」「シマリスが居るの」、よく見るとお花畑の中の岩の上にシマリスが佇んでいた。「遠いなぁ」おばさんはそう言いながらシャッターを押す。シマリスはお花畑のイワウメの中に入ったが、さすがに遠くてこれは無理。走り出したシマリス、どうやらカップルで寛いでいたようである。
第四雪渓から第三雪渓を慎重に下って行く。気温が上昇してすっかり腐った雪は歩き易いが、もっと融雪が進めば雪渓尻の踏み抜きや割れ目への注意も必要だろう。
コマクサ平を過ぎて第一花園へ。数名のスキーヤーが気持ちよさそうに急斜面を一気に滑り下りて行く。そんな光景を横目に、気温が上がってまるで登山道のように深く刻まれた雪面を下って行く。この雪渓トラバースは融雪状況と気温の変化でその時々の姿を変えることだろう。
13時45分、銀泉台へ到着。2日連続の大雪山花紀行を終えた。
|

チシマキンレイカ ミヤマアズマギク
|

クモマユキノシタ レブンサイコ
|

ニセイカウシュッペ山を見ながら下山
|

お花畑で出会ったエゾシマリス(おばさん撮影)
|
コースタイム(含休憩時間)
銀泉台 05:45 展望台 06:30 コマクサ平 07:05 第三雪渓 07:35 第四雪渓 08:15 赤岳 08:40 小泉岳 09:20 小泉岳周辺散歩 小泉岳 11:15 赤岳 11:40 コマクサ平 12:40 銀泉台 13:45 |