極楽平を過ぎると傾斜が増して来て、登山道は大きくジグを切り〜やがて「仙人坂」(頂上まで3km)。「いよいよだなっ」ちょっと気合を入れなおして登って行く。小さな岩を乗り越え木々の根っこを跨ぎ、、、ゴツン〜「イテっ」思いっきり頭を登山道に張出した木の枝にぶつける。「気を付けてよ〜」そう言うおばさんも次の瞬間にはゴツン「イタっつ」〜。「よーーし、もうぶつけないぞ〜」と頭上注意で進んで行く。しかし、、、またまたゴツン。下山中も何度ぶつけたことか〜 やがて傾斜が緩んできて沢に沿った路を進み〜銀冷水8時55分(頂上まで2.5km)、ここでも水はとれるが煮沸が必要だろう。そのすぐ上には携帯トイレ用のブースが2つ設置されていた、携帯トイレも段々普及してきている証だろう。やがて頭上が明るくなってきて〜大沢入口に飛び出す(頂上まで2km)。 |
仙人坂 |
頭上注意? |
銀冷水 |
携帯トイレ用ブース |
大沢入口へ |
「休憩しようか」周辺の写真を撮ってザックを下し水分補給していると、4名の若者が登って来た。「すみません、シャッター押していただけませんか?」「良いですよ、、、大沢を入れた方が良いよね」とコンデジの液晶を覗く、「待ってね」近くに置いてあった私のザックがカメラの視界に入っていたので、それを移動しようとすると「あっ、良いですよ」。「いや〜せっかくだからね、ザックが入ってしまうんで。さあ、良いですか〜それポーズ」 若い人たちの表情はとても清々しい、「ここは遅くまで雪渓が残っているんだよ」「そうなんですか、アイゼンをつけて登るんですか?」「雪質にもよるんだけど、以前縦走した時には重装備でもあったし軽アイゼンをつけて登ったんだ。苦しい登りだけと残雪の白と青空と登る人と・・・美しいところだよね」そんな過去の思い出を若い4人は「そうなんですか〜」と答えながら聞いてくれた。 先行する若者たちの後を追うように〜私達は全く雪の無い大沢を登り始めた。タカネトウウチソウが沢全体に咲き乱れていた、「凄いわねぇ〜〜〜」「これは綺麗だぁ〜、、、そっか、遅くまで雪渓が残っているからこの時期でもこんなに綺麗に咲いているんだね」、私達はシャッターを押し続けた。ふと振り返ると眼下には知床五湖が見えていた。 若者たちはどんどん先を進み、岩場の上に立って見下ろしていた。おばさんがカメラを構える、私は若者達に向かって写真を撮る合図をする。若者達の元気いっぱいの表情がおばさんのカメラにおさまった。何処かでまた会うだろうから、後で連絡先を聞こうと思っていたのだが。後述の事件で結局はもう会うことは出来なかった。 |
タカネトウウチソウに囲まれながら大沢を行く |
眼下に知床五湖が見える |
岩場の登り |
大きな岩を乗り越え〜やがて傾斜が緩んで来ると沢の源頭部に出た、そこは見事なお花畑でもあった。チシマクモマグサがまだ咲き残って〜チングルマが一面にその果穂を揺らす。ブルーのイワギキョウに混じって淡いブルーの塊も見つけて歓声をあげる・・・、そしてエゾオヤマリンドウ。ほとんど期待していなかった花々の勢揃いに私達は大満足であった。 |
沢の源頭部へ |
チシマクモマグサ |
チングルマの果穂 |
淡いブルーのイワギキョウ |
イワギキョウ |
エゾオヤマリンドウ(おばさん撮影) |
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