しつこく纏わりつくムシを払いのけながら登って行く、振り返るといつしか青空は消え去り〜周囲にガスが流れ込んで来た。「まあ、今日はこんな天気なんだろう、雲間に見える展望に期待するか・・・」私はちょっとあきらめに似た心境になっていた。 標高約1710mほどのピークに立ってやっとザックを下した。少し風があってムシの攻撃もほとんど無い、「これなら良いね」腰を下してミネラルドリンクを飲み干す。真っ白なガスの奥に何となく山容を感じた、、、「見えて来るぞ」「ほら音更山よっ」見る見るうちにガスは消え去り〜目の前に大きな音更山が忽然と姿をあらわした。視線を写すと北大雪の山々がクッキリと見えている、「お〜〜〜っ、これだよ〜」」私はいつも通りに小さく叫んでシャッターを押した。 |
ブヨ沼キャンプ指定地からの登り |
大きな音更山が・・・ |
北大雪の山々 |
急な斜面を一気に下って行く、高度差約100m下って〜コルから高度差約250mの登りだ。コルが近づくにつれてダケカンバに囲まれて笹が被った細い登山道となる。朝露や雨などで濡れている時にはカッパが必要になるところだ。ちょっと歩きづらいうえに視界も良くないから長く感じるところでもある。 やがて〜いよいよこのルート最大の登りが始まる。ハイマツに囲まれ、小さな岩石が覆う滑りやすい急斜面を慎重に登って行く。周囲は濃いガスに包まれていて遠望は全く無い。滴り落ちる汗を拭いながらの辛い登りである。 |
一旦コルに向かって下って行く |
ハイマツに囲まれた急な登山道を登る |
ガスがスーーと消えて〜上空に青空が見え始めて来た。視界がグンと広がる、振り返るとユニ石狩岳方面を包み込んでいる雲が美しい。一気に登りきって広い台地状の稜線に飛び出した。遠く表大雪の高根ケ原の雪渓が目に飛び込んで来た。 |
青空が・・・ |
ユニ石狩岳方面を見る |
稜線の奥に、高根ケ原の雪渓が見えて |
もう山頂は視界に入っていた、きつい登りも無い。天気さえ良ければ〜なだらかな広い稜線を足元に咲く高山植物を楽しみながらの高原散歩だ。ミヤマリンドウ、チシマツガザクラが咲き始め、コマクサは終わりを迎えつつあるものの〜イワブクロが咲き〜エゾツツジが今が盛りと咲き誇る。苦しい登りに耐えて見る花々の美しさはまた格別だ! |
広い稜線を行く |
ミヤマリンドウ |
コマクサ |
イワブクロ |
チシマツガザクラ |
エゾツツジ |
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